猛省キリギリスの裏話ページへようこそ!

このページでは、廣済堂あかつき(旧 廣済堂出版)のWEBサイトで
連載している、猛省キリギリスのはみ出しメモを綴っています。

猛省キリギリスは、なるべく実在の虫の生態に近づけて書いていますが、
そこには書ききれなかった虫の話などをしてまいります。

ちょっとマニアックな話や写真が出てくるかもしれませんが、
興味半分でご覧下さい。

「15話」についてのおまけページ

猛省キリギリスの15話を読んで下さりありがとうございます。

 

いつものように、おまけネタを書きましたので、

よろしければお読み下さい。 

 

 

■ほとんどの人が知らない。意外なところにあるカマキリの目

 

カマキリなど虫の絵を描いてもらうと、たいていの人は目を2つ書きます。
でも、目はそこだけではありません。

 

カマキリの顔を見てみると、額の部分に3つの小さな点があります。
実は、これも目なのです。

 

↓ カマキリの額にある目
 単眼、丸400s.jpg

 

昆虫の目は横についていることが多く、正面は少し見えづらと考えられています。

 

正面の視界を補ったり、相手までの正確な距離を知るため、
顔の正面にも小さな目を備えていると言われています。

 

ちなみに額にある目は、モノの形までは見えないと言われており、
明暗を感じるくらいだろうと考えられています。

 

他にも、小さい目を持つ昆虫がいますので、何か虫を捕まえたら、
よ〜く見てください。意外なところに目を持つ虫が意外といます。

 

↓セミも額に目があります(赤い丸の部分)

 セミ単眼400s.jpg

 

 

■自分に向いたことは、嫌な体験からも見つかる


自分に何が向いているのかわからず、「自分には才能がない」と
思っている人は意外に多いです。

 

私も以前はよく、ビジネス系の勉強会に出ていたのですが、そのときの参加者の多くは、

自分に使える技術を身につけようと思っていました。

 

子どものころから、野球がうまい、歌がうまいとかで抜群の才能を持っていれば
「自分の才能はこれだ!」と思えるのでしょうが、ほとんどの人は大人になっても
自分の才能もわからなければ、自分のやるべきこともわからない状態だと思います。

 

案外見過ごされている自分に向いたことを見つける方法のひとつは、
たとえ嫌であっても、今、与えられた仕事を一生懸命にやってみることです。

 

キリ助は最初、「歌がうまくなってメスにもてるようになろう」と思っていました。

 

しかし、歌が下手なことで周りからバカにされて傷つくことで、「自分のやるべきことは、

自分の立ち直った経験を歌にして伝えていくことだ」と気づきました。

 

このように“うまくいかない体験”や“嫌な体験”からも、自分のやるべきことや、

自分に向いたことが見つかるのです。

 

私自身も元々はバイオ系の技術者でした。それが今、

企業を活性化させるための研修やコンサルティングをしています。

 

このような転身をしたのもやはり、“嫌な体験”があったからでした。

 

技術者時代、私はそんなにデキがよくなかったこともあり、所長からはほぼ毎日、
「お前、いつまで生きてるつもりだ?早く死ね」と言われ続けていました。

 

今思えば完全にパワハラですが、当時はまだ、パワハラという言葉は

一般的では無かったと思います。

 

とにもかくにも、そんな熱意あるご指導のおかげで(?)、

入社から5年経ったころ、ウツで休職をしました。

 

それまでは技術者として生きていくことに何の疑問も持たなかったのですが、所長にさんざん

心を傷つけていただいたおかげで、「人の能力を活かせるような仕事をしたい」と

強く思うようになりました。

 

その想いが今の仕事につながっているので、嫌な仕事や、辛い体験というのは、

自分が本当に やりたいことを見つけるいいチャンスとも言えますから、

「あのヤロウ!」という気持ちも 大事にしてもらえたら

いいのかなと思います。

 


■嫌なことにも「ありがとう」と思えると、自分の気が楽になる

 

先ほどお話した通り、「嫌だな」と思うことのすべては、
自分の将来の宝になる可能性があります。

 

たとえば、「人からヒドイことを言われて不快な気分になった」というときがあると思います。

 

そのときはムカツク出来事だと思いますが、「こういうことを言ったら人を傷つけるんだな」

ということが、身をもってわかります。

 

同じことを以後、自分が誰かにやらないようにすれば、
あなたは周りから見て、“とってもいい人”になれます。

 

あなたに嫌なことを言った人は、「こんな風に言うと、人はムッとします」というのを、

身をもって教えてくれていると思えば、「ありがとう」と思えます。

 

ムッとさせられるのはあまりいい気分ではありませんが、

人からムッとされるよりはいいのではないでしょうか。

 

結局、人から「あの人と付き合ってもロクなことはない」と思われてしまうと、

いい話を教えてくれませんし、いざというときに助けてくれません。

 

ですから、“いい人”であることが、結局、自分が一番トクをすると思うのです。

 

私の場合、営業能力もないですし、あまり戦略性もない生き方をしてるので、
他人からいい話をもらうことでしか生きる道がありません。

 

そんな私と同じく、「自分には能力があまりないなー」と思う方は、演技でも構わないので、
いい人になり、周りの人からチャンスをもらえばいいのです。

 

そして、いい人になるための一番の近道は、近くにいる嫌なヤツから、

「うわー、こういうことを言うから、コイツ、嫌なヤツなんだ」と教えてもらうことなのです。

 

そう考えると、身をもって嫌われる役をやってくれて、自分に人付き合いの知恵を

さずけてくれる嫌なヤツは、ありがたい先生です。

 

このように割り切って考えてみると、ムッとした経験でも、

ほんのちょっとでも気が楽になり、自分のストレスも減らせます。

 

私はそれほど打たれ強い性格ではないと思うのですが、

このように考え方をちょっと変えて、心のダメージを減らしています。

 

 

■愚痴は言ってもいい


私は自分に向いていることや、自分のやりたいことは、

案外嫌なことの中にあると思っています。

 

ですから嫌な体験については、変にポジティブに解釈をしないで、「あー、なんであの人あんな

言い方するんだろ?」と、思いっきり不機嫌になったり、他人に愚痴を言ってもいいと思っています。

 

嫌な体験をあまりにポジティブな解釈をしてしまうと、

せっかくの学びのチャンスを逃すと思うのです。

 

「こんなふうに言われると、こんなに嫌な気持ちになるんだ」というのをしっかり味わうと、

友人に対しては同じことをしなくなります。

 

愚痴を言う相手は、人間でも構いませんし、人間以外でも構いません。


ちなみに私が一番愚痴を言う相手は、“飼いゴキブリ”です。

なかなかよく聞いてくれるイイヤツだったりします。

 

↓ ゴキブリ
目だけ白いゴキ400s.jpg 
脱皮直後は目だけ黒い

 

 

■『技術のうまさ』よりも『考え方』が大事

 

『技術のうまさ』よりも、『考え方』の方が大事です。

 

だからといって、『人柄は抜群にいいけど、100%手術を失敗する外科医』が
いいわけではありません。

 

私もそんなお医者さんにかかりたくはありません。

 

しかし、『他人のために自分の能力を使うことが楽しい』という考え方を土台に
持っていないと、周りの人からの支持が集まらないと思うのです。

 

それは当たり前ですよね。「金持ちになって、ぜいたくな暮らしをするために、

お前ら金を払え!」と いう人に、自分の貴重なお金を差し出したいと

思わないはずです。

 

だから、「自分の技術は金儲けの道具」と考え過ぎてしまうと、
長期的にはあまりうまくいかなくなるでしょう。

 

ですから、自分がやってておもしろくて、かつ、人の役に立つことを見つけることが、
長期的に見て、大事なことだと思うのです。

「14話」についてのおまけページ

猛省キリギリスの14話を読んで下さりありがとうございます。
そして今回は、ドラ○ンボールのような切り方ですみません。

今日のおまけページは本編とリンクしたことが書きにくいので、
昆虫ヨモヤマ話を中心に書いていきたいと思います。

■昆虫以外も食べるカマキリ

14話の中で、「カマキリがカエルと食べる」と書きました。
これは実際に私が見た光景です。

普通、カエルが虫を食べるのに、反対に虫がカエルを
食べている様子はかなり驚きました。

↓ カエルを食べるカマキリ
カマキリとカエル400s.jpg
気分が悪くなる方もいると思うので、画像処理をしています



カマキリとしては、手頃な大きさで、動いていれば、
すべて「エサ」なのでしょう。

カマキリは、メスがオスを食べると言われますが、あれも一説には、
手頃な大きさの生物(オス)が、目の前でチョロチョロ動くので、
メスは食べ物だと勘違いしただけと言われてます。


■齊藤の好みのタイプは?

もう数年前の話です。某勉強会の帰り道、同じ方向に帰る女性と一緒の電車に乗りました。

どんな経緯で話題がでたのかは忘れてしまったのですが、
その女性から、「好みのタイプはどんな人?」と聞かれました。

特にとりたてて大ファンの芸能人とかもいないので、
「ゴキブリ飼っても許してくれる人」と答えました。

そうしたところ、「それって好みのタイプって言うの?」と突っ込まれ、
自分の思考回路が、ややショートしていたことに気づかせてくれました。

虫好きな人は、基本的に一日中、虫のことを考えていますので、
トンチンカンなことを言っても、温かい気持ちで見守ってあげてください。


■住宅街での昆虫採集は難しい

住宅街での昆虫採集は意外に難しいところがあります。

もちろん、草原に比べて虫の数が少ないというのもあるのですが、
別の意味でも難しいのです。

たとえば去年の話なのですが、近所の住宅街を歩いていると、
葉っぱが虫食いになっているお宅がありました。

こういうのを見ると、ついつい、「何の虫が食べたのかな〜」と、
気になって、虫を探してしまう癖があります。

ジ〜ッと、葉っぱを眺めていると、横から「すみません」と、
声をかけてくる人がいました。

振り返ると、『青い制服を着た公務員』の方から、
「何をされているんですか?」と、訊かれます。

私は珍しい虫がいたときの準備として、右手にデジカメ、左手に袋を携えています。
この格好、周りから見れば、どっからどう見ても空き巣の下見なのでしょう。

ふいだったもので、「いや、虫が……」と、答えにならない答えをすると、
不信感を、より強めてしまったようです。

空港でもないのに、手荷物検査という事で、しょっていたリュックを開けられます。

でもラッキーなことに、その日は捕りたての瓶詰めされた
ミジンコとボウフラが入っていました。


  公務員  「この瓶は何ですか?」
  私     「ミジンコとボウフラです。 ホラ、ココ泳いでますでしょ?」
  公務員  「何に使うんですか?」
  私     「いや、ペットなんです……」


公務員の方は「変なヤツに声かけちまったなぁ」という、
やや後悔に似た、困った顔をされていました。

身元照会のあと、ひととおりの注意を受けて、無事釈放。
虫とりも案外ラクじゃありません。

ちなみに夜間における住宅街の昆虫採集はさらに怪しさを増すようです。
こちらの話はまたいずれどこかで……。


■シロアリと私

先日、シロアリを探しに近所をウロウロしました。

一般的にシロアリは、家を食べている虫というイメージがありますが、
実際、ほとんどのシロアリは人間が住んでいない、森などに多くいます。

身近なところでは公園や団地など、花壇の脇に落ちている朽ち木をめくってみると
ウジャウジャいたりします。

↓ 朽ち木の下にたくさんいるシロアリ
シロアリたくさん400s.jpg


飼うには危険な昆虫ですが、危険だと思えば思うほど、
魅力的な虫に見えるのはナゼなのでしょう?

それはさておき、連れて帰ってきたシロアリをていねいに
扱っているときに限って電話がくるので困ります。

普通の虫なら、ちょっと雑に扱って電話に出ても問題ないのですが、
さすがにシロアリはマズイです。

万一逃げたら、築30年が経過する自宅は、
シロアリの格好のエサになってしまいます。

飼っているのか、飼われているのかわからない状況は避けたいので、電話に出るのは
あきらめ、1匹たりとも逃がさないようにシロアリのお世話をしました。

↓イエシロアリ
シロアリ400s.jpg
左:働きアリ 右:兵隊アリ



■幸福のおすそわけ

ナナホシテントウってかわいいですよね。虫にしては珍しく、大人からも好かれます。
どうやら、このテントウムシには“幸福を運ぶ使者”のようなイメージがあるそうですね。

↓ナナホシテントウ
ナナホシ09.05.04400s.jpg


なので、このコラムを読んでくださっているあなたの幸せを祈って、
たくさんナナホシテントウを取ってきました。

↓ いっぱい採集
ナナホシだらけ400s.jpg


この写真、友人に見せたら、「うわっ、うぜぇ!」と言われてしまいました。
幸福の使者といえども、数が増えてしまうと、あまり幸せな気分になれないようです。


↓ 捕まえた後は、元の場所に逃がしました
ナナホシリリース250s.jpg
ワラワラ逃げていく姿には、あまり美しさは感じません



さてさてナナホシテントウが幸福の象徴に感じるのは、
きっと赤い下地に黒いブチ模様がかわいく見えるのでしょう。

しかし、あの模様を『幸福』に感じるのは人間くらいのものです。
他の動物から見れば、あの模様は『悪魔』以外の何者でもありません。

9話のおまけページでもご説明したとおり、テントウムシは
鳥などに襲われると、ニガイ物質を出します。

試してみるとわかるのですが、人間が舐めてもマズイです。

マズイということを学習した鳥は、「この派手な色の虫は喰えない」と認識するので、
テントウムシは安全なのです。

そうした意味で言えば、日本人から見て悪魔と思われるゴキブリは、人間以外の
ほとんどの動物から見れば貴重な食料であり、言い換えれば「幸福の象徴」です。

ゴキブリは、咬んで抵抗してくるアリやコオロギなどと違って攻撃力はゼロです。

は虫類系のペットショップでは、トカゲの餌用のコオロギも売っていますが、
大きさ別にゴキブリも餌用として売っています。

これは今お話したように、ゴキブリは飼っているトカゲを咬んで傷つけないからです。

シャカシャカ逃げるだけなので、捕食動物にとっては、安全に高タンパクな
栄養を摂れる、ありがた〜い生物なのです。

ゴキブリという嫌われ者を、一種類の生物として中立に見てみます。
するとゴキブリは、昆虫・は虫類・鳥類・ほ乳類などの貴重な食料になっています。

食物連鎖の下の方を支えるゴキブリを全滅させれば、生態系のバランスは大きく崩れ、
その結果、人間すら生きていけなく可能性もあるのです。

このように、『テントウムシ』も『ゴキブリ』も、
見る視点を変えるだけで天使にも悪魔にもなります。

ちょっとおもしろいと思いませんか?

これはきっと、自分の職場でも同じなのだと思います。

自分の職場がダメな場所と思えば、いくらでもダメな面が見えてきます。
でも、いい職場だと思えば、いくらでもいい面が見えてきます。

これはおそらくどっちも正しいのだと思います。
片面だけ見ていては、きっとどこかで支障をきたすと思うのです。

「ものにはすべて両面があるんだ」と思えば、悪い面が見えたときでも必要以上に腐ることはないと思いますし、良い面が見えても、“過剰な信者”にならないで澄むと思うのです。


■虫を食べる理由

「何で虫を食べるんですか?」とたずねられることがあります。
念のため申し上げますが、毎日虫を食べているわけではありません。

とにもかくにも、虫は普通においしいものが割といます。

と言っても、ほとんどの日本人にとって、虫を食べることは
ゲテモノ喰い以外の何者でもありません。

しかし、日本人が好きなエビとかカニは、かなり虫に近い生き物で、
分類学上、どちらも『節足動物』というグループに入ります。

ですから、“虫の味”も“エビの味”もかなりそっくりなのは当たり前なのです。

とくに、セミをシンプルに油で揚げた『セミフライ』は、目隠しをして食べたら、
居酒屋さんで出てくる小エビの素揚げと、味の上では判別できないと思います。

↓ セミフライ
セミフライ400s.jpg
“カキフライ”と音の響きも似ている点でも意外に流行る?



何が言いたいかと言いますと、『食習慣』という慣れを取り除いて、“エビ”と“虫”を中立に見た場合、エビをおいしいと感じる人は、虫もおいしいと感じる(はず)なのです。

エビだって、よ〜く見てみると、かなりグロイです。

でも平気でエビを食べられるのは、「エビはおいしい」という、
小さいころから築き上げた“錯覚”がなせるワザです。


↓ スーパーで売っている車エビ
クルマエビ400s.jpg
ちゃんと見れば、虫とそれほど変わりません


ちなみに欧米人の中には、少なくない人々が
「日本人はゲテモノ喰いだ」と思っているようです。

その理由は、刺身というナマの魚を食べること。それに欧米人が
デビルフィッシュと呼んでいるタコやイカを食べることなどが挙げられます。

でも、昔からタコを食べる習慣で育った日本人同士であれば、
タコ刺を食べる人を、ゲテもの喰いだとは思いません。

つまり、虫を食べることが気持ち悪く感じるのは、
すべて“気のせい”なのです。

虫もエビも魚も豚も、生物として見れば、おいしいもマズイもないのです。
シェフの腕次第で、ナメクジだっておいしくなります。(本当)

それでも虫が食べられないのは、「虫は食べ物ではない」という、
大いなる思いこみがそうさせるにすぎないのです。

私としては、「虫を食べるなんて信じられない!」と思われることは全然構いません。
ただ、人の思いこみは、それだけ強力なんだということを知ってほしいのです。

そして、自分の中の思いこみが、できるだけ他人に向けられることがないように
してもらいたいなと願うのです。

たとえば、「コイツってホント使えないなー」と感じるのは、
間違えた思いこみの可能性が高いと思うのです。

「使えない」と思っている人の良い面を見ていないか、その人の能力が活かせることを
させてあげていないだけかもしれないのです。

虫を食べることが気持ち悪いと思ったら、「私にはそれだけ強い思いこみがあるんだな」と
いうことを知ってほしいのです。

私も含め、思いこみをゼロにすることはできないでしょう。

しかし、「私にも強烈な思いこみがあるんだ」と思えば、他人に対する対応も、
今までとは少しは変わる部分があると思うのです。

お互いがお互いのことを半歩ずつ理解しようとする姿勢が、きっと今までよりも、
ずっと楽しい職場や家庭をつくるのではないのでしょうか?

↓こんなケムシだって、慣れてしまえば猫のようにかわいいのです
マイマイガ複数400s.jpg
マイマイガの幼虫

「13話」についてのおまけページ

今回も猛省キリギリスの13話(クモの話)をお読みいただき、

ありがとうございます。

 

このページでは、13話についてのおまけ話をしたいと思います。  

 

■クモ

「クモは苦手」という人が多いと思います。
たしかに、不思議な形をしているので、「コワイ!」と思う人の気持ちもわかります。

 

でも、その不思議な形は、よ〜く見てみると、とてもカッコ良いので、
意外に愛好家が多いのです。

 

クモには、『巣を張るタイプ』と、『巣を張らないタイプ』がいます。

 

『巣を張らないタイプ』であれば、タランチュラのような大型のクモでも、
虫カゴで手軽に(?)飼えます。

 

うちにも、『巣を張らないタイプ』が、何種類かいます。
そのうちの一種類、アリグモをご紹介します。

 

↓ アリグモ
 アリグモ全体400s.jpg

 

このクモは、上の写真の通り、どう見てもアリの格好をしています。
でも、よーく見ると、顔がクモです。

 

↓ 顔をよく見るとクモ
 アリグモ顔400s.jpg

 

東京でも、団地の植え込みなどで頑張って探せば見つけられます。
でも、相当に虫が好きな人でも、見たことが少ないクモです。

 

見かけても、「アリがいる」程度にしか認識されないので、
クモと気づかないのでしょう。

 

たとえ見つけても、かなり動きが速いので、
捕まえるのはちょっと難しいかもしれません。

 

さて次に、『巣を張るタイプ』の話をしたいと思います。
たとえば秋の風物詩、ジョロウグモなんていかがでしょう?

 

↓ ジョロウグモ
ジョロウグモ400s.jpg 

 

比較的大型な上、色彩もカラフルですから、なかなかの見応えがあります。

 

↓ 横から見ると、いかにお腹が大きいかがわかります。
ジョロウ横400s.jpg 
これは、卵を持っているメスですね

 

ジョロウグモは、油で揚げると足が上向きになることが多く、
まるで阿波踊りを踊っているかのような格好になります。

 

ジョロウグモをたくさん捕まえて揚げてお皿に盛ると、

見た目も華やかな“クモフライ”ができます。

 

懐石料理のような、見た目も重要なお料理には、とても有用な食材だと思います。


でも一応、調理したクモの写真は、友人からすこぶる評判が悪いので、

掲載を自粛しておきます。

 

ちなみに、このジョロウグモと似た『形』と『大きさ』のコガネグモというクモがいます。

 

↓ナガコガネグモ
コガネグモ2400s.jpg 

 

ジョロウグモもコガネグモも、大きなクモの巣を張ります。
ですから、大きな水槽であっても飼うのが難しいのです。  

 

しかし、「それでもコガネグモを飼いたい!」と思う人もいます。
さて、その方々はどうやってコガネグモを飼うと思いますか?

ちょっと考えてみてください。

 

さて、正解は……

 

 

『家の中で一緒に住む』でしたぁ〜。

 

 

いやぁ〜、単純な答えですが、スゴイですよね。
さすがに私も、まだそこまでの挑戦はしていません。

 

コガネグモを飼っている人のところに遊びに行った友人の話によると、
巣の下には、無数の虫の羽や足が落ちていたそうです。

 

とても家の中の光景とは思えないですね。

 

私も、クモを放し飼いで飼育したいというのが夢のひとつですが、
まぁ、それは儚い夢で一生を終えるでしょう。


■ザトウムシ

「齊藤、変なクモ見た!」と友人から連絡がきたとき、それは大抵、ザトウムシです。
体は米粒のような形と大きさなのですが、足が1本10cmくらいあります。

 

↓ ザトウムシ
ザトウムシ2400s.jpg 

ザトウムシはクモの仲間ではなく、ダニの仲間です

 

山に行って雑草が生えているところに踏み入れると、
ワサワサ出てくるのですが、意外に知らない人が多い虫です。

 

クモとはまったく違い、フラフラした動きをしていて、
とても目を楽しませてくれる、ステキな虫です。

 

↓ザトウムシを横から見た姿
横400s.jpg 


■コガネムシ

猛省キリギリスの中では、脇役の割には、結構頻繁に出てくるコガネムシですが、
この虫はかつて、裁判にかけられたことがあります。

 

何の裁判かというと、中世ヨーロッパで行われた宗教裁判です。

 

「うっとおしいので、この世から消えなさい」という意味で、

『破門』が言い渡されたそうです。

 

当時は、科学の暗黒時代とも呼ばれていた時代でしたから、
害虫駆除も神頼みだったみたいですね。

 

ちなみに、被告となった虫にもちゃんと弁護士が付いたそうですが、

出廷しなかった虫は、被告欠席のまま、破門などの判決が下りました(本当)

 

裁判にかけられた虫は、コガネムシ以外にも、バッタ、ミミズ、ヒルなどたくさんいたようです。


↓コガネムシ
 セマダラコガネ400s.jpg
破門された後の現代でも、ちゃんと生き延びています

 

●毒ガス兵器が薬になった!

13話の中でもお話した通り、毒と薬は基本的には同じです。
使う量が適切なら体に良い効果を与え、飲み過ぎると毒になるだけです。

 

薬と毒に関するおもしろい逸話としては、『毒ガス兵器が薬になった』という事例があります。
その毒ガスとは、イペリットガスです。

 

イペリットガスは第一次世界大戦のときに使われた殺人兵器です。
からしに似た香りがするらしく、マスタードガスとも呼ばれていました。

 

イペリットガスのすごいところは、たとえ防毒マスクをしていても、
衣類を浸透し、皮膚をダメにしてしまうのです。

 

運よく助かったとしても、皮膚はひどいケロイド状になってしまうそうです。

 

そんなおっかないイペリットガスを吸入してしまうと肺気腫になります。
目に入れば失明します。

 

イペリットガスの被害を受けた兵士には、『白血球が減る』
という症状が出たそうです。

 

治療にあたっていた医者の中に、「白血病(血液の癌)になると、白血球が増えちゃうから、

イペリットガスを注射したら効果あるかも」という、恐ろしく大胆な発想で生まれたのが

抗ガン剤なのです。


■結果は気にしてもしかたない

プレゼンの日は緊張しますよね。
相手が納得してくれるのかどうか、とても気になると思います。

 

でも本当は、プレゼンの当日に緊張するのは、ほとんど意味がありません。

 

プレゼンがうまくいくか否かは、資料づくりの段階でほとんど決まっており、
当日は、緊張してもしなくても結果は変わらないのです。

 

だから、緊張しすぎてしまうほど、ギコチナイ発表になってしまい、
せっかくつくった資料の良さが目減りするだけなのです。

 

ですから、ここ一番の勝負の日には、ある程度緊張するのは仕方ないとして、

「今更緊張しても遅いよね」と、どこか開き直ってしまった方が、いい結果が出るでしょう。

 

その方が、胃の痛くなる思いをしなくて済むのも大きなメリットです。

 

そう言いながら、私自身も緊張しがちな体質です。

 

はじめてのクライアント企業さんでの研修の日はいつも緊張していて、
「どうしたらうまくいくかなー?」ということばかり考えてしまいます。

 

ときには、気づかず女子トイレに入っており、

ピンク色の壁面を見て、「ハ!」と我に返っています。

 

女子トイレは大抵、男子トイレよりも手前に設置されているため、
間違えて入りやすいのです。(自分が悪いと認めない性格)


■成功なんて、しょせん後付け

ほとんどの成功というものは、計算通りではなく、後付けだと思っています。

 

『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(毎日コミュニケーションズ)は、
おかげさまでヒットしたのですが、これもたまたまです。

 

私は昔、上司の命令を断れず、泣く泣くマグロ船に乗せられただけです。

 

この断れないという性格について、本を出す前は周りの人から、
「お前、この先大丈夫か?」と、散々言われ、かなりのダメ人間扱いだったと思います。

 

でも本が売れた後には、この評価が一転し、「断らないのが成功の秘訣なんですね!」と、
言われるようになってしまいました。

 

こうして褒めてくれる人に、「先日まで、断れないのは欠点だったんです」と言っても、
「いやー、さすが謙虚ですね」と、より褒められてしまい全然わかってくれません。

 

一般社会でも、大胆な発想で成功した会社は、マスコミから、「これがこの会社の成功の秘訣!」

と大々的に持ち上げられますが、失敗すれば、「この間違った判断が業績を低迷させた」と

叩かれます。

 

つまり人の評価というものは、『現時点での結果』という一面だけを見て、
すべてを判断される傾向があると思うのです。

 

だから私も、次の本が売れなければきっと、

「やっぱり一発屋だったね」と、言われるのが目に見えています。

 

だから、あなたの評価が周りの人からそれほど高くなくても、
「自分はダメかも」と思う必要はまったくないと思うのです。

 

しょせん周りの人は、あなたのことを『今』という一面しか見ていないのですから。

 

しかし、『今日やるべきことはちゃんとやる』。このことはとても大事だとは思います。

なぜなら何か行動をしないと、『良い』にしろ、『悪い』にしろ、結果がでないからです。

 

でも、やったことが『良い!』言われるような結果が出るかどうかについては、
運に任せる方がいいのかもしれません。

 

その理由は、自分がやっていることが良いか悪いかという評価は、時流や、

誰が最初に評価するかによって変わってしまい、それこそ運の要素が大きくなるからです。

 

ですから、自分でコントロールできるような、日々の努力などは、やった方がいいと思いますが、

自分でコントロールできないような、評価の部分などは、気にしても仕方ないと思うのです。

 

私もそんな気持ちで、毎日そこそこほどほどに頑張っています。


■参考図書
・講談社カラー科学大図鑑 こん虫のふしぎ 編著者:梅谷献二 講談社


・ナレッジエンタ読本18 毒と人体! 加藤雅俊 メディアファクトリー


・農薬工業会 ホームページ
 http://www.jcpa.or.jp/column/control/02/index.html


・学校で教えない教科書面白いほどよくわかる毒と薬  

 山崎幹夫編 毒と薬研究会著 日本文芸社


・毒と薬のひみつ 毒も薬も使い方しだい、正しい知識で毒を制す!
 齋藤勝裕 ソフトバンククリエイティブ

「12話」についてのおまけページ

今回も猛省キリギリスの12話(ナメクジの話)をお読みいただき、

ありがとうございます。

 

このページでは、12話についてのおまけ話をしたいと思います。  

 

■ナメクジは虫か?

読んでくださった中には、「ナメクジは虫じゃない!」と思われた方もいたかもしれません。
たしかにナメクジは昆虫ではないのですが、広い意味ではムシ(蟲)なのです。

 

日本では明治くらいまで、ムシと言えば、『蟲』を指していたようです。

 

『蟲』とは、『小さくてうごめく動物の総称』で、蛙(かえる)や蛇(へび)も含まれます。

だから、これらの漢字には、『虫』という文字が入っているのです。

 

だからと言って、体長が5mにもなるキングコブラもムシと呼んでいいのかは
ビミョウですが、日本にはキングコブラはいないので、それは想定外なのでしょう。

 

ちなみにナメクジを漢字で書けば『蛞蝓』となり、やはり虫という文字が入っています。


■ヤマナメクジ

ヤマナメクジは日本最大のナメクジで、15cm以上に育ちます。
大ざっぱにいえば、大人の手首から指先までの長さになる巨大なナメクジです。

 

山登りをする人などは、結構目撃するようで、登山部だった同級生からも、
「あ〜、あの超ブキミなナメクジ?」と、すこぶる評判が悪いです。

 

性格は非常にのんびりで、東京で普通に見るナメクジよりも動きません。
うちにいるものは9cmなので、まだまだ子どもです。

 

↓ 自宅で飼っているヤマナメクジ
 ヤマナメクジ400s.jpg

 


■ナメクジの繁殖活動

ナメクジは、1匹でオスとメスの生殖器を持っています。
だからと言って、1匹では増えません。

 

繁殖をするには、仲間を見つける必要があります。

 

仲間を見つけたナメクジは、お互いに“頭”から生殖器を出して、
相手の頭に入れます。

 

そうして精子を交換し、受精するのです。

 

↓ ナメクジの繁殖行動
 ナメ・交尾・全体400s.jpg

中央の『白いもの』が生殖器です


この生殖器の部分は、プラスチックのように硬くてザラザラしています。

 

 

↓ 生殖器のアップ画像

 ナメ・交尾・拡大400s.jpg


 

そして、ナメクジが生んだ卵はブドウのように房状になっています。

 

↓ ナメクジの卵
 ナメ・卵400s.jpg

 


生まれてきた赤ちゃんナメクジは、透明がかった白色をしています。

 

↓ ナメクジの赤ちゃんは、水菓子のようでおいしそう
 こどもナメ400s.jpg

親指の爪と比較

 


■ナメクジは薬になる?

民間療法の中には、「ナメクジを生で食べるとゼンソクが治る」というものがあります。
しかし、生食は止めた方がいいでしょう。

 

ナメクジは、広東住血線虫という寄生虫がいる可能性が高いです。
この寄生虫は結構キケンで、運が悪いと脳に移動してしまいます。

 

考えるのも恐いですが、そうなってしまうと顔面マヒや昏睡などになる可能性もあり、
死亡例もあります。

 

■ナメクジは加熱調理すれば大丈夫

先ほど、「ナメクジを生で食べるのは止めましょう」と言いました。
しかし、加熱調理をすれば健康上も問題なく、おいしく食べられます。

 

「ナメクジを食べる」というと、非常に突飛なことに聞こえるかもしれませんが、
ナメクジは元々アワビやサザエなどと同じ、巻き貝の一種です。

 

それが地上でも生きられるように進化したのがナメクジです。

 

ですから感情を一切排除して、あくまで生物として見た場合、
アワビが食べられる人は、ナメクジも食べられます。

 

ナメクジを食べることに嫌悪感を覚えるのは、欧米人が、
「タコを食べる日本人は信じられない!」と言っているのと同じことです。

 

つまり、今までナメクジを食べる習慣がなかったから、ナメクジを

食べることに関してゲテモノに錯覚してしまうだけの話なのです。

 

ゆでたナメクジを食べてみると、貝と同じ味と歯ごたえです。
パスタにしてみると、全然違和感がありません。

 

よろしければ、一度お試しください。
新しい自分に出会えるかもしれません。

 

↓ ナメクジパスタ
パスタ全体400s.jpg
拡大写真は自主規制(でも、いつか公開したい)


■虫は、腹から息を吸う

ヒトは呼吸をするときに口から酸素を取り入れます。
しかし、昆虫は腹から酸素を取り入れます。

 

虫の腹をよく見ると、側面に穴がいくつか空いています。
これは『気門』と呼ばれ、ここで呼吸をしているのです。

 

↓ カブトムシの気門
 気門400s.jpg


人間は酸素を体に送るとき、赤血球に乗せて全身に運びます。
虫の場合は腹から取り込んだ酸素を、気管という管を通して直接全身に運んでいます。

 

ですから昆虫の場合、大きくなってしまうと全身に酸素を送れなくなるので、
あまり大きくなれないと言われています。

 

■誰にもできないことをやる必要はない

「仕事でもっと活躍したい!」と思う人の多くは、「誰もやっていないことをやらないと」と

思っていることが多いように感じます。

 

しかし、誰もやっていないことは、なかなか思いつきません。

 

それに思いついたとしても、自分には到底できないような

職人技かもしれないという問題があります。

 

私は仕事で活躍するには、誰にもできないことをするのではなく、『遅刻をしないこと』、

『出社したら挨拶をすること』など、誰にでもできることをやる方が大事だと思うのです。

 

たいていの場合、「当たり前」と言われることができていないことがほとんどです。
たとえば、会社に入ると、「報告・連絡・相談をきちんとやりましょう」と言われると思います。

 

これは逆に言うと、「ウチの会社では報告・連絡・相談という

基本的なことができていません」と言っているのに等しいのです。

 

私は、基本的なことができないことについて責める気持ちはないのですが、自分の特長を
出すためには、誰にでもできることをやり続けることが一番の近道だと思っています。

 

この猛省キリギリスという、「虫の生態」と「人の生き方」をドッキングさせたユニークな
コラムも、もしかしたら私より先に、誰かが思いついていたかもしれません。

 

しかし、思いついたからといって、誰でもすぐに書けるわけではありません。
当たり前ですが、虫についての知識がないと書きようがないのです。

 

私は一般的な男の子と同じように、物心がつく前から虫が好きでした。
そのころの虫の知識は、周りの友人と変わりませんでした。

 

でも、友人たちは、小学校高学年あたりになると、
段々虫についての関心が薄れてきたのです。

 

一方で私の場合は、虫への関心が衰えず、約30年かけて虫の知識を増やしていったのです。
そのおかげで、このコラムを書くための基本的な知識がストックされました。

 

このコラムを読んで下さった方の中には、「虫から生き方を語るなんて、齊藤さんにしか

書けない斬新な発想ですね!」と言ってもらえるのですが、それはあくまでも結果だけを

見たからそう見えるだけです。

 

先ほど、「誰にもできないことをやるよりも、誰でもできることをやる方が、

自分にしかできないことが見えてきます」と言ったのはこのあたりにあります。

 

つまり、虫の知識を深めるには、30年という時間をかければ誰にでもできることです。

 

そして、この積み重ねた知識があったおかげで、結果的には、
自分にしかできない斬新なことを思いつけたのです。

 

ですから、まずは自分の好きなことをやり続けることをおすすめします。

 

なぜなら、好きなことをやっていないと、誰かから「才能ないね」と言われたとき、
ショックで止めてしまい、長続きしないからです。

 

好きなことなら、周りから何を言われても、続けられます。

 

今の大人は、案外好きなことを持っていなかったりします。
おそらく毎日忙しすぎて、好きなことに時間をかけられないのでしょう。

 

でも私は、好きなことを追求することが、自分にしかできない仕事をするために

一番大事なことだと思います。

 

今は直接仕事に結びつかないかもしれませんが、いつか、

好きなことが仕事に結びつく日がくるかもしれません。

 

私も虫好きが、このように書く仕事になるとは思いませんでしたから。

 

極端な話、好きなことであれば、たとえ仕事につながらなくても構わないのです。

 

なぜなら、好きなことをやって「楽しいな」と思えるだけでもストレス解消になり、
充分、モトをとっているからです。

 

ですから、週に1回でもいいですから、何でもいいので自分の好きなことを

我慢しないでやってみてはどうでしょうか?

 

なぜ私が、「好きなことを追求するのが大事です!」と
力説をしている理由がおわかりでしょうか?

 

それは、虫取りを理由にして、本やコラムの締切を延ばしてもらうためです。

 

■虫マニアの生態とは?

虫マニアには、色々な種族がいます。

 

一例を言えば、

 

  「蝶屋」と言われるチョウチョを追うマニア。
  「カミキリ屋」と言われるカミキリを追うマニア。
  「クワガタ屋」と言われるクワガタを追うマニア。

 

などがいます。

 

彼らも元々は、色々な種類の虫を捕まえた虫とり少年です。
しかし、年齢が上がるにつれ、「蝶」や「クワガタ」など、専門分野が決まってきます。

 

虫はやたらと種類が多く全部集めるのが不可能なため、
それを悟ったときから専門分野を決めていくようです。

 

専門分野が決まった虫マニアたちは、その虫をとりに、

休暇を使って日本各地はおろか、海外にまで虫をとりに行きます。

 

彼らは、きれいな観光地などには目もくれず、目当ての虫を求めて虫網をふるいます。
何しろ、短い休暇中に珍しい虫をとらなければ意味がないので、必死さが違います。

 

私の友達も、まとまった休みがあると、強行スケジュールで海外に行ってしまいます。

ですから、昆虫採集も本格的にはじめると、いくらお金があっても足りません。

 

標本にする時間や、捕まえた虫の名前を調べるのに図鑑と

にらめっこしていたりすると、時間も足りなくなります。

 

かくして、彼らは独身街道まっしぐらとなり、

自らを「毒身(どくしん)」と言い、開き直ってしまいます。

 

「他人事のように言っているが、おまえはどうなんだ?」と言われると、
私もその部類に入ってしまうでしょう。

 

ただ、しょっちゅう海外に行く友人に比べると、まだまだ甘です。
マニアにも階級があり、柔道で言うなら、私はまだ三段でしょう。

 

八段、九段になると標本の数が10万匹を超え、満面の笑みで

「離婚した」とか、「会社辞めた」とか言い出します。

 

「だ、大丈夫ですか?」と聞きたくなる一方、「ここまでの情熱を持てて羨ましいと思います。

 

ちなみに私は昆虫マニアの中でも数少ない、『害虫好き』です。
しかもその辺にいる害虫が好きで、あまり特定の種類を追っているわけではありません。

 

なので、専門分野を持っている虫マニアから見れば、『未熟者』になってしまうのです。

 

ちなみに昆虫マニアでも、ゴキブリやクモが苦手な人は結構いて、
それらは触れない人も多いです。

 

ちなみに、脱皮したてのゴキブリというのは、「害虫」と吐き捨ててしまうのが
惜しいほどきれいです。

 

↓ 脱皮したてのゴキブリ
 白ゴキ1400s.jpg

 

白ゴキ2400s.jpg
純白のウェディングドレスを着た花嫁のように綺麗ですね


さぁ、あなたも今日からジャージに着替えて、虫網を振ってみませんか?

 

■参考図書
  楽しい昆虫料理 内山 昭一 ビジネス社
  沖縄県衛生環境研究所のホームページ 
  http://www.eikanken-okinawa.jp/biseibutu/kisei/kisei.htm

「11話」についてのおまけページ

今回も猛省キリギリスの11話(カメムシの話)をお読みいただき、

ありがとうございます。

 

このページでは、11話についてのおまけ話をしたいと思います。

 

 

■カメムシのニオイ 

 

今回、『キリ助がカメムシのニオイで気を失う』という展開で物語を進めました。

 

「そんな大げさな!」と思うかたもいらっしゃったかもしれませんが、
事実、カメムシはニオイで虫を殺すことができます。

 

↓ 強烈なニオイのため、嫌われることが多いカメムシ

 カメムシs.jpg

 

小学生のころ、下校途中にカメムシをラムネ菓子のプラスチック容器に
たくさん入れて持ち帰ったことがあります。

 

家に帰り容器のふたを開けると、脳を何かが貫通したような衝撃的なニオイがしました。
次いで、動かなくなってしまった無数のカメムシたちがゴロゴロと出てきたのです。

 

何匹かは復活したのですが、多くはそのまま逝ってしまいました。

 

そのあとも、虫の種類を変えて何度か試したのですが、

アリやバッタなども、カメムシのニオイで倒せることがわかりました。
(子どもは残酷ですね)

 

ただ、自然環境では、カメムシと密封した容器で一緒になることはないので、
おそらく、「くさっ!」と感じた虫は逃げていくだけで、命までは取られないでしょう。

 

カメムシは強烈なニオイを、敵を倒すのにも使いますが、

仲間たちのコミュニケーションにも使います。

 

カメムシが鈴なりにたむろしているのを見たことがありませんか?
それは、ニオイでコミュニケーションをとっているからできると言われています。

 

↓ 鈴なりに群れをつくっているアカスジキンカメムシの子ども 

 2s.jpg

 


ちなみに、タガメという水に棲む昆虫がいます。
タガメもカメムシの仲間です。

 

よーく見てみると、『背中の形』、『羽の付き方』、『口の形』が
カメムシとそっくりなのがわかります。

 

↓ タガメの背中
タガメ400s.jpg

 羽の付き方もカメムシとそっくりです

 

「じゃあ、タガメもニオイがあるんですか?」そんな疑問が単純にわくと思います。
推測の通り、タガメもニオイがあります。

 

どんなニオイかと言いますと、なんと『洋梨』のニオイです。

 

市販されている“台湾タガメ”を買ってきて、
羽をむしって内蔵のニオイを嗅いでみましょう。

 

『どう猛な見た目なのに、フルーティな洋梨の香り』
このギャップは、かなり新鮮だと思います。

 

ちなみに、台湾タガメは、東京の新大久保にある、アジアスーパーストアで買えます。

 

↓ アジアスーパーストアの看板
 アジアスーパーストア250s.jpg

 

↓ 1パックに3匹入っています
 タガメ販売s.jpg
450円なり

 


■『欠点』は、そのまま長所になる

 

今回の話では、「欠点は克服する必要はないし、欠点だって
使い方を変えれば長所になります」ということを書きました。

 

私には、ものすごくたくさん欠点があるのですが、
そのひとつは、『断りベタ』なところです。

 

どのくらい断りベタかと言いますと、上司から、ほぼ勢いで「マグロ船に乗ってこい!」
と言われ、断れずにマグロ船に乗せられてしまったというほど重症です。

 

↓ 乗せられたマグロ船
予冷(機関長)300s(スキャン済).jpg

 


マグロ船に乗せられた8年前の当時、周りの人からはよく、「お前、ある程度

は断れるようにならないと、この先大変だぞ」と、たくさんのアドバイスをされました。

 

当時は私も、「断れるようにならなきゃ!」と思い、2万円くらいする、

『断れる自分になるためのセミナー』というものに通ったり、それなりの努力はしました。

 

それでも残念ながら、断る力はあまり鍛えられず、毎月、ほしいとは思っていない

栄養補助食品が毎月家に届くのを見るたび、「自分はなんてダメなんだろう……」と

自信をなくしていました。

 

しかし振り返ってみれば、断れないおかげで色々な人と知り合え、

また、色々な経験もできるというメリットがありました。

 

おまけに、断れないからこそ、『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』

(毎日コミュニケーションズ)という、(出版社にとっても意外な)ベストセラーを出す

ことができた上、多くの方から、「笑えた上、勉強になった」というメールをたくさん

いただけたと思うのです。

 

何が言いたいかというと、自分で欠点だと気にしている部分は、実は、
『多くの人がマネできない才能を持っている』ということと同じなのです。

 

『欠点』というのは、自分にある才能の使い方を、
少し間違っていたから、欠点に見えただけです。

 

結果オーライな話ですが、私の場合は『断れない』という欠点を直さず、

『人よりも多くのことが体験できる才能』に置き換えてうまくいきました。

 

『断れない』という欠点は、まったく直していません。

すべての長所は短所の裏返しです。

 

たとえば、『正義感が強い』という長所を持つ人は、たいがい
『ケンカっ早い』という短所を同時に持っていると思うのです。

 

つまり、自分の欠点を改善すれば、それはそれで新しい短所が生まれてしまうのです。
だからきっと、あなたという人間は『今のままでパーフェクトな状態』なのだと思います。

 

何かうまくいっていないというのは、きっと自分の使い方に、
ちょっと慣れていないだけだと思うのです。

 

繰り返すようですが、私の断りベタを、自信をなくすような短所に捉えれば、
『理不尽な命令でマグロ船に乗せられてしまうほど気弱な人間』という風になります。

 

しかし、断りベタを長所に捉えれば、『誰も経験できないような、

幅広い経験ができて、それがいつか人の役に立つ』という風になります。

 

要はひとつのことを、『良く見るか、悪く見るか』の違いだけでしかないのです。

 


■“身体的なハンデ”も長所として活かせる

 

今回、体から発するニオイにコンプレックスを持つカメムシを登場させました。
これを人間に当てはめたとき、読者の中には、差別的に感じた方もいたかもしれません。

 

ただ悲しいことですが、現実として、“身体的な特徴”は、仲間はずれや、

いわれもない差別を生む原因になりがちです。

 

そうした差別を受けて、カメムシの亀吉のように、

自分に自信をなくす人も大勢いると思うのです。

 

かくいう私も、生まれつき首や足の筋肉が短い病気(特徴)を持っています。
首に関しては手術をしているため、だいぶ曲がるのですが、足は今でもあまり曲がりません。

 

おまけに、“溶血性貧血”という、いかにもヤバそうな名前の血液疾患を持っており、
年中無休で(軽い)貧血を起こしている虚弱体質です。

 

体に負担をかけてしまうと赤血球が一気に壊れて貧血になるので、
徹夜など、体力勝負の仕事はほとんどできません。

 

こんな体のため、子どものころから運動は苦手で、体育の成績も最低の評価でした。

 

学生時代、体育の成績が悪いというのは、からかわれる対象になりがちです。
私も中学卒業までは、だいぶからかわれました。

 

腕っぷしも弱いので、ムカッときてもそれを表情にすら

出せなかったことを今でもよく覚えています。

 

しかし、そんな弱い体のおかげで、肉体労働や長時間労働が

できないことは、昔から理解していました。

 

ですから普通の人よりも、「自分にしかできない仕事をして、競争に

巻き込まれないようにしなくては!」という焦りが、私にとっていい刺激になりました。

 

そのおかげもあって、猛省キリギリスという、「虫」と「生き方」をミックスした、
他に競争相手(似た本)がいない読み物をつくることができたと思うのです。

 

もちろん、拙著「会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ」(毎日コミュニ

ケーションズ) という、『マグロ船に乗せられたときの経験をビジネス書にする』という、

普通ではありえない 発想の本も、「競争相手がいないことをしなければ!」という

昔からの危機感が 形になったと思っています。

 

繰り返しになりますが、私は、「背が小さい」・「ハゲている」・「顔が悪い」といった、

一般的に卑屈になってしまいがちな身体的な特徴も、すべて自分のオリジナリティを

生み出すチャンスだと思っています。

 

ここでひとつ、私などよりもはるかに大きな身体的ハンデを背負っていた、
中村久子さんのことをご紹介したいと思います。

 

中村久子さんは明治生まれで、幼い頃、病気で両手足を切断しています。

 

今の時代では考えられないのですが、20歳のときは、『だるま娘』という芸名で、

見せ物小屋で働き、精神的にも肉体的にも大変な経験をされています。

 

そんな中村久子さんは後年、次のような驚くべき詩を書かれています。
中村久子女史顕彰会事務局ホームページより)
http://www.nakamura-hisako.co.jp/1profile.htm
 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


  ある ある ある
 
  さわやかな秋の朝
  「タオル取ってちょうだい」
  「おーい」と答える良人がある
  「ハーイ」という娘がおる
  歯をみがく
  義歯の取り外し かおを洗う
  短いけれど指のない
  まるいつよい手が 何でもしてくれる
  断端に骨のない やわらかい腕もある
  何でもしてくれる 短い手もある
  ある ある ある
  みんなある
  さわやかな秋の朝

 

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 

この詩のように、五体不満足で苦労された中村久子さんは、
それでもなお「みんなある」と言いきっておられます。

 

それに比べると、何かにつけ、「あれがない、これがない」と
いつも言い訳をしたくなる自分が恥ずかしくなります。

 

思えば偉人と言われる人の多くも、差別や理不尽な思いをされた憤りが高じて、
自分の使命を見つけています。


有名なところでは、二宮金次郎もそのひとりだと思います。

 

二宮金次郎は、貧乏な農家で育ったため、父親、母親が過労死し、
弟までもが死んでしまいます。

 

そんな想像もできないような悲しみや悔しさがあったから、後年、どんな飢饉がきても
餓死者を出さない村をつくった、信念のある指導者になれたのでしょう。

 

↓ 二宮家の墓(神奈川県小田原市)

 金次郎の墓250s.jpg

 

人から責められる欠点があったり、いわれのない理不尽な体験をされているというのは、
きっと、自分だけが実らせることができる果実のタネを持っているのと同じだと思います。

 

今はまだつらいときかもしれませんが、それがいつか、あなたとあなたの周りの人を

幸せにする経験となるのを心より祈ります。

 

■参考図書
 楽しい昆虫料理 内山 昭一 ビジネス社
 中村久子女史顕彰会事務局ホームページ
 http://www.nakamura-hisako.co.jp/1profile.htm
 二宮 金次郎 松山 市造 ポプラ社文庫
 小説 二宮金次郎 (上) 童門 冬二 学陽書房
 小説 二宮金次郎 (下) 童門 冬二 学陽書房

「10話」についてのおまけページ

■働きバチについて

 

 今回、3話に登場させたハチが再度出てきました。

 いつも、花の蜜を集めている働きバチは、メスだけの仕事です。

 

↓ 指に止まったミツバチ

みつばち400s.jpg

 刺される可能性があるので、マネしないでくださいね

 

 オスは蜜を取ってくることもなく、エサをメスに食べさせてもらい、
 安全な巣の中で毎日ブラブラしています。

 

 だからといって、オスは一生をのんびり過ごすわけではありません。

 

 結婚のシーズンになると、いっせいに巣から出て、子孫を残そうと
 女王バチを追いかけまわします。

 

 子孫を残せなかったオスは巣に戻れずに餓死します。

 

 では、子孫を残せたオスは幸せな一生を過ごすかと言えばそうではなく、
 女王に生殖器ごともぎ取られて、結局死んでしまいます。

 

 ハチにとってオスとは、遺伝子をミックスさせるだけの役割なのかもしれません。

 

 

■三葉虫

 

 三葉虫は、今では絶滅した生物です。
 しかし、太古の時代には、もっとも繁栄した生物のひとつと言われています。

 

↓ 三葉虫の模型(上野国立科学博物館)
三葉虫200s.jpg

 

 しかし、何が原因で滅びたのかは、今だに謎となっています。

 

 10話のコラムでも出てきたように、三葉虫は初めて眼を持った生物と言われています。

 

 そしてこの眼は、私たちのようなタンパク質でできたものではなく、
 方解石という石が主成分だったと言われています。

 

 しかし、眼としての性能は、現代の生物と変わりなく、
 非常に完成した構造であったと言われています。

 

 なので『眼』は、徐々に進化したのではなく、
 「一気に完成したのではないか?」という仮説があります。

 

↓ 眼がびよーんと伸びた三葉虫もいます(上野国立科学博物館)

目が出た三葉虫400s.jpg

78,500円です。ほしいけど、買えないです(涙)

 

 

■アンモナイト

 

 アンモナイトも太古の海に栄えた生物です。
 一説には、1万種類以上いたのではないかと言われています。

 

 しかし、残念ながら絶滅してしまった生物です。

 

↓ アンモナイトの化石(直径1mくらい)
大きい400s.jpg
携帯電話を比較対象に置いてみました

 


 絶滅した理由については、色々と背巣があるのですが、そのひとつとして、
 「進化の袋小路に入ってしまった」と言われています。

 

 進化の袋小路とは、あまりにもおかなしな形に進化してしまったので、
 生き残りに不利になり、絶滅をしたという考え方です。

 

 たしかにアンモナイトは、栄えすぎたのか、かなり変な形の種類のものがいます。

 たとえば下の写真のように、殻の部分が不思議な渦巻になったもの。

 

電話のコード状400s.jpg

(上野国立科学博物館にて撮影)

 


 ほかにも下の写真のように、デタラメと思えるほど
 ぐちゃぐちゃに殻が巻きついた種類がいました。
 

異常巻き400s.jpg

 (上野国立科学博物館にて撮影)

 


■自分らしくあるために、必要なこととは? その1

 

 「自分らしく生きたいのになかなかできない……」こんな悩みを聞くことがあります。

 

 自分らしいことができない理由としては、「お金がかかる」とか

 「時間がかかる」とか、色々あると思います。

 

 でも、それについては、お金も時間もかからないところから

 はじめればいいのではないかなと思います。

 

 たとえば、本を書いて自分のメッセージを伝えたい人は、無料で提供されている

 ブログを使って、気が向いたときに更新すればいいでしょう。

 

 歌を歌い続けていきたい人は、身近にあるサークルに入ったり、

 お風呂で歌うなどからはじめればいいと思います。

 

 しかし結局、彼らの話をよくよく聞いてみると、やりたいことをやれていない本当の理由は、

 時間やお金ではなく、「やってみたいけど、こんなことをはじめたらバカにされるのでは?」

 という恐れのような気がするのです。

 

 はっきり言えば、恐れている通り、実際に自分の好きなことをはじめると、

 バカにする人は出てきます。

 

 私はなめくじなど、いわゆる害虫をたくさん飼っているおかげで、
 「コイツはイカれてる」と思っている人も結構います。

 

↓ うちで飼育しているなめくじ (なめくじ牧場と呼ばれています)

山盛りナメクジ400s.jpg

 

 

 『自分のやりたいことを否定してくる人たちの忠告』。

 

 それを無視することが、自分のやりたいことをやるための、“ひとつの壁”なんだと思います。

 

 だから、周りの人たちから「君、そんなことみっともないから止めなよ」と
 アドバイスをされはじめたら、「壁が来た!」と喜んでください。

 

 いかにも毒々しいイモムシとかを飼っていると、最初は嫌がる人がいます。
 私の場合、女性の友達からはメールを送信することすら拒否されたことがあります。

 

 とくに子どものころは、友人などから強い拒否をされると、
 自分を否定されたように感じると思います。

 

 私も落ち込んだときもありました。

 

↓ フクラスズメ(蛾)の幼虫(毒々しいけど無毒)
幼虫400s.jpg


 

 でも、懲りずに自分のやりたいことを続けると、壁は知らず知らずに過ぎ去ります。

 

 なぜかというと、自分のやっていることをおもしろがってくれる人は

 親しい友達になり、そうでない人はフェードアウトするのです。

 

 ですから、自動的に自分のことを認めてくれる人しか残らなくなるのです。

 自分のやりたいことを続けることは、たしかに他人から嫌われる危険があります。


 しかし私はこのことを、『私の友達になれるかどうか、私がふるいにかけている』
 と捉えています。(わざと極端に言ってます)

 

 たぶん、どちらも真実です。どちらで受け取るかは、自分次第なんだと思います。

 

 私が親しくさせてもらっている人たちは、基本的に、

 「コイツは変だが、おもしろい」と 思ってくれていると思います。

 

 だからといって、その人たちもなめくじを飼うわけではありません。
 なめくじを飼っている私をまるごと受け入れてくれているという感じなのです。

 

 なので、周りのアドバイスなどは無視して、自分のやりたいことを、

 無理なくできるところからはじめてみてはどうでしょう?

 

 

■自分らしくあるために、必要なこととは? その2

 

 『自分らしい表現をする』ということは、『その分野で先頭に立つ』ことを意味します。

 

 もう20年くらい前になるかもしれませんが、コンビニでお茶を売り出したとき、
 「お茶なんて、わざわざ買ってまで飲むか?」と思っていました。

 

 そして、私の周りの人たちもそう思っていました。
 しかし結果としては、お茶は売れ筋の商品になりましたよね。

 

↓ コンビニのお茶コーナー

 お茶コーナー400s.jpg

 

 このコンビニは、お茶を売るということに関して『先頭』に立った当時、
 きっと、「こんなの売れねぇよ!」とだいぶ批判されたと思うのです。

 

 本当に売れるかどうかなんて、当時は売っている人たちも確証を持てなかったと思うのです。
 なぜなら、自分たちが先頭にいるから、結果のことなどわかるはずがないのです。

 

 『先頭に立つ者』つまり『自分らしくある者』が耐えるべき、もうひとつの壁は、
 『自分がやっていることが受け入れられるかどうかわからない恐怖と戦うこと』です。

 

 支持してくれる人がいるかわからない上、いい結果が出るかもわからない中で

 自分らしくあることは結構プレッシャーです。

 

 でも、それは自分らしくあるためにかならずついて回ることです。

 

 企業研修の講師を仕事にしている私が、自分らしくしていることは、
 『講師っぽくしないこと』です。

 

 普通、講師というものは、スーツを着て、堂々として講義をします。 

 私の場合、ときには雨ガッパを着ている上、常に堂々としていません。

 

↓ 雨ガッパを着ながらの研修(マグロ船流のコミュニケーション術研修)

マグロ研修400s.jpg

 

 いつも研修を発注してくれる企業の中には、「今日もサービスマンの齊藤さんが

 来てくれました!」と、全然講師っぽくない扱いで、出だしの紹介をしてくれます。

 

 私の研修スタイルは、「ふざけている」とか「講師は堂々をしているものです」と

 批判もありますが、それは自分らしくあるために、『無視すべき批判』と思っています。

 

 もちろん、自分の意地だけで『堂々としていない講師』をしているわけではなく、
 私にとってはこのやり方のほうが、研修が盛り上がり、学習効果も高いからです。

 

 ですから、講師らしくない講師を、これからも先頭に立って続けていこうと思っています。

 

 「もし数年後、そのやり方に支持が集まらないのがわかったらどうするの?」
 そんな質問もよくもらいます。

 

 「それはリスクだから仕方ない」と、答えています。

 

 10話の中でお話した通り、三葉虫のように、『生物が一挙に増える起爆剤の種となるか?』

 それとも、『アンモナイトのように絶滅への道をたどるのか?』、それは結果が出ないと

 わからないのです。

 

 結局、自分らしく生きることで、先頭に立つ生き方もいいですし、

 誰かの後をついていくやり方もいいと思います。

 

 どちらも一長一短があります。

 

 そして、両者のいいところだけを選ぶということはできません。
 あくまでも、自分がどう生きたいかの問題なのだと思います。

 

 どちらの生き方もすばらしい生き方だと思いますし、
 私は、どちらかを選択したあなたの生き方を尊敬します。

「9話」についてのおまけページ

 今回も猛省キリギリスの9話(テントウムシの話)をお読みいただき、
 ありがとうございます。

 このページでは、9話についてのおまけ話をしたいと思います。

 

■寿命について

 

 テントウムシは、幼虫になってからの寿命は、約3ヶ月と言われています。

 

 ただ、冬場に生まれたテントウムシに関しては、冬眠をするので

 正味、半年くらいは生きるようです。

 

 「寿命は、どんな生物にもある」と思われがちですが、寿命のない生き物も結構います。

 

 たとえば細菌類などは、「エサをちゃんと与え続ければ、永遠に生きるだろう」と

 言われている種類が数多くいます。

 

 なぜ、生物に寿命があるのでしょう?

 

 その説はたくさんあって、まだ正確にはわかっていませんが、
 ひとつの仮説を紹介します。

 

 『寿命がないと生き物が増え続ける一方になり、やがて食糧不足になってしまうので、

 適度に数が減ったほうが生物は繁栄する』という説です。

 

 それ以外の仮説には、『寿命は偶然できた』というのもあったりして、
 なかなか奥が深くおもしろいテーマだと思います。

 

 まー、寿命というのは、誰かが意図してつくったわけではないので、
 厳密な意味での正解はないとは思いますが。

 

 

■テントウの苦い汁の正体

 

 テントウムシを掴むと、黄色い汁を出すことがあります。

 あの汁はマズイので、鳥などの天敵から身を守るのに役立っています。

 

↓ テントウムシが出す黄色い汁
苦い汁.jpg 


 ですからテントウムシは、「私を食べてもマズイですよ」というのを知らせるため、
 わざと派手な模様をしていると考えられています。

 

 

↓ 「私はマズイです」というサインを送るため、派手な色をしていると言われます
ナナホシs.jpg

 

 小学生のころ、この黄色い汁は本当にマズイのかなめてみたことがありました。 

 実際、人間の味覚でも相当マズかったです。強い苦みと青臭さが舌に残ります。


 試してから20年経った今でも、うっすらと味の記憶があるほどマズイです。

 

 ちなみにこのコラムを書くにあたり、「黄色い汁の成分はなんだろう?」と
 インターネットで調べました。

 

 京都大学のホームページによると、成分は、アルカロイド系の物質だそうで、

 知ってしまったときは結構ショックでした。

 

 なぜなら、アルカロイド系の物質は、生物系を専攻している人には結構おなじみの猛毒で、

 フグやトリカブトの毒もその仲間だからです。

 

 いやー、これ知ってれば、そんなアブナイことはきっとしませんでした…… (汗)

 

 まぁ、コーヒーなんかに入っているカフェインなどもアルカロイド系の物質なので、
 必ずしも猛毒というわけではないのですが、イメージ的にキケンなので。

 

 ちなみに同じく20数年前、ファミコン通信というゲーム雑誌に、『カブトムシはウーロン茶の味』

 と書いてあったので、試しに背中をなめてみたことがあります。

 

 確かに、ウーロン茶を薄くしたような味がしましたが、今考えればあれも、
 ダニとかたくさん飲み込んでそうですし、あまりやらないほうが良かったなと思いました。

 

↓ カブトムシ君の顔

カブトの顔400s.jpg


 
■今回の物語の原案

 

 今回、テントウムシのローズが、最期の時間を使ってキリ助に
 『今』の大切さを教えてくれました。

 

 この原案、実は大学時代からの友人である、
 ちなっさんがMixiに書いていた日記なんです。

 

 日記の内容がとても素晴らしいと思ったので、ご本人に許可をもらって、
 猛省キリギリス用にアレンジをしました。

 

 原案にさせていただいた日記の内容は、下記の通りです。

 

−−− <瀕死の私にハチが教えたこと> −−−−−−−−−−−−−−−−− 

 

 寿命なのかケガなのか・・・とにかく瀕死状態だろうということは一目でわかった。
 ハチは死にかけていた。

 

 起き上がろうと必死に動きもがくが、同じところをくるくるまわるだけ。

 「ムリだよ、もういいよ・・・」私は思った。

 

 でもハチはもがき続ける。

 

 なんとかしてあげたい気持ちで胸が苦しくなる。

 でも何もできない。・・・私は何もしなかった。

 

 徐々に体力を消耗し、ハチは死んでしまった。

 涙が出てきた。

 

 ハチはじっとしていてもいずれ死んだだろう。
 もがく必要があったのだろうか。

 

 もっとラクに死ねたんじゃないだろうか、そう思う。

 でももし、もがいていなかったら誰の目にもとまらなかったと思う。

 

 たまたま電車に乗り遅れてホームに残された私の目にも。

 

 そう そして私は、今日上司に告げるはずだったコトバを、

 とうとう告げることなくウチに帰ってきてしまった。

 

 『動けるのに動かないなんてズルイ』
 ハチはそうは言わなかったけれど、私がハチならそう言ったと思う。

 

 ハチは死んでしまったけれど、私はまだ生きてる。
 その違いは大きい。

 

 でもハチに出会う前の私は、「瀕死のハチ」と何か違っただろうか?

 【好きではじめたこの仕事、辞めちゃうトコだったよ・・・】

 

 その時言えなかった「ありがとう」は天国までは届かないかもしれない。

 

 だから・・・

 

 涙目で電車に乗り込む私に、あかんべーをしながら

元気に飛び去っていくハチの姿があった、 そう信じたい。

 

−−− < ここまで > −−−−−−−−−−−−−−−−− 

 

 ちなっさんは、OL勤めを経験したあと、現在は大手人材派遣会社で営業職をしています。

 

 このお方、残念ながら日常ではとくに取り柄と言えるようなものは見あたらないのですが、

 気まぐれに書く詩やコラムのセンスは抜群だと思っています。

 

 昔から本人は、詩の才能があるとは思っていないようですが、
 個人的には、「せっかくの才能をもったいないなー」と思っています。

 

 でも得てして才能というものは、本人にとっては「大したことはない」と

 思っているような気がします。

 

 私自身もわずか1年前までは、「虫はあくまでも趣味」と思っていたので、

 こういう形でコラムになるなんて思ってもみませんでした。

 

 しかし、人材活性プロデューサーとして、様々なメディアに取り上げられている

 大谷由里子さん から、「齊藤クン、君は虫をテーマにコラム書いたら

 ウケると思うで」と言ってもらいました。 

 

 そして大谷さんが理事を務めるNPOのホームページで、虫のコラムを書く機会を

 与えていただいたことが、この猛省キリギリスを書くきっかけとなりました。

 

 「自分には何の才能もない」と思っている人も、周りの人から見れば、

 きっと何か才能を感じてくれていると思うのです。

 

 ですから、誰かに「あなたには、○○の才能がある」と言われたら、

 「いやー、私にはそんな才能はないです」と謙遜をしないで、本当に

 言われた分野に才能があるかどうか試してみればいいと思うのです。

 

 『謙遜する』というのは、日本人の美徳のひとつですが、

 ときには自分の才能を発揮させる妨げにもなる気がします。

 

 才能があっても、訓練をしなければ最初はヘタだと思います。

 

 だから、「うまくできないかも……」という不安はよそに置いて、
 とりあえず、できそうなところからやってみたらいいのではないでしょうか。

 

 どうせ才能があったって、最初はヘタなんですから(笑)

 

 でも、才能があれば、最初はうまくできなくても、アッという間に上達するはずです。
 上達しなければ止めればいいだけです。

 

 半分余計なお世話かもしれませんが、自分のことを、いつまでも
 『才能の卵』に閉じこめておくのはもったいないと思ってしまうのです。

 


■今がベストな状態と割り切る

 

 今回のコラムのテーマは、「今がベストな状態と割り切ってしまいましょう」というお話でした。

 

 過去の経験から学ぶというのも大事なのですが、「今がベストなんだ」と割り切った状態で過去を振り返らないと、

 「あのとき、コレをしておけばよかった……」と後悔ばかりになると思うのです。

 

 また、夢や目標などの未来を見る場合でも、「今がベストなんだ」と割り切らないと、

 目標と現実のギャップにめげてしまい、「自分はどーせダメなんだ」と落ち込むでしょう。

 

 ですからまず、『今の自分がベストなんだ』と割り切ることが大事なように思うのです。

 

 ちなみに私は『断りベタ』です。

 

 それも、「マグロ船に乗ってこい!」という、意味不明な上司の命令にも
 逆らえないほど重症な断りベタです。

 

↓ 乗せられたマグロ船 ( 赤道の近く )
赤道の海400s(スキャン済).jpg

 

  マグロ船に乗せられた8年前、友人からはよく「齊藤、お前、『もうちょっと嫌なものは嫌って

 言えるようになれよ』」とアドバイスをされました。

 

 当時は私も、「もっと断れるようにならないと」と、欠点を直そうとしましたし、
 断りベタな自分があまり好きではありませんでした。

 

 でも、あるときから気づいたのですが、マグロ船に乗せられた体験は、

 はじめて会う人との雑談にものすごく威力を発揮しました。

 

 また、荒れる海を相手に仕事をする漁師独特の仕事観は、私はもちろん、私以外の人も

 非常に 感銘を受けるようで、気づけば、「会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で

 学んだ」 (毎日コミュニケーションズ)という本まで出て、意外に売れているようです。

 

 ですから、周りの人から「欠点だから直した方がいい」と言われ続けた

 『断りベタ』な性格は、 私にとっての最大の特長でもあるのです。

 

 つまり欠点は、使いようによっては長所にもなるので、今の自分に、

 「欠点があるから自分はダメなんだ」と見なさないでほしいのです。

 

 今の自分の状態で、「私にはすべてが揃ったベストな状態」と思ってあげないと、
 自分がかわいそうだと思うのです。

 

 あなたは今のままで、きっと完成された状態だと思います。

 

 過去に起きた辛かったことや失敗したことは、すべてあなたのよりよい未来を

 つくるために、 きっと必要なできごとだったと思うのです。

 

 ですから、「今」を大切に、一歩一歩前進していくのがいいのではないでしょうか。

 

 

<参考図書>

 

 NHKブックス 寿命論 ―細胞から「生命」を考える高木 由臣【著】 日本放送出版協会

「8話」についてのおまけページ

 今回も猛省キリギリスの8話(アブラムシの話)をお読みいただき、
 ありがとうございます。

 このページでは、8話についてのおまけ話をしたいと思います。

 

■アブラムシについて

 

 「アブラムシが好き!」そんな人は滅多にいないと思います。

 やはり、「害虫」という強いイメージがあるのでしょう。

 

 でも、アブラムシを捕まえてよく観察をしてみると、案外かわいい見た目をしています。

 

 とくに今回、ジャンクというキャラクターのモデルにした

 ゴンズイフクレアブラムシは、かなりかわいいです。

 


↓ ゴンズイフクレアブラムシ (東京都 東大和市)

 

ゴンズイフクレアブラムシ400s..jpg 
動く雪だるまのような感じです

 

 

 このアブラムシは、比較的大型で、4mmぐらいありますから、

 肉眼でも細かいところがよく見えます。

 

 都心でも見ることができて、めずらしい種類ではありません。


 アブラムシがビッシリくっついている様子は、まるでロボットの大群のように

 見えるときがあるので、今回、アブラムシをロボットという設定にしました。

 

 

↓ ゴンズイフクレアブラムシの群れ

集団400s..jpg  
上の写真の通り、アブラムシは、羽のあるタイプと羽のないタイプがいます

 

 

 通常は、羽のないタイプなのですが、エサがなくなってきたり、環境がわるくなると、

 羽の生えたタイプが生まれてきて、どこかに飛んでいき、生活する場所を移すのです。

 

 「じゃあ最初から、羽のあるタイプだけ生めば?」と思われがちですが、
 羽のあるタイプは、羽のないタイプに比べて子どもを生む能力が低くなります。

 

 ですから環境がいい状態であれば、羽のないタイプの方が、子孫を残しやすいのです。

 

 

↓ 羽があるタイプのゴンズイフクレアブラムシ

羽400..jpg 

 


■アリとアブラムシは友達か?

 

 よく、「アリはアブラムシの身辺警護をする代わりに、アブラムシから

 甘い汁をもらっている」と言われています。

 

 しかし、この表現は正確ではない可能性があるそうです。

 

 アリがアブラムシを守るのは、甘い汁を出す個体だけで、

 甘い汁の出が悪くなったら、食べてしまうことがあるそうです(笑)

 

 アリにとってアブラムシは、『お友達』というよりも、『家畜』

 と言った方が正確かもしれません。

 

↓ アブラムシは、アリの家畜か?! 

 

アリとアブラムシ400s..jpg

 


 しかし、これにもまたひとつの仮説があります。

 

 アブラムシは繁殖力が強いので、誰かがちゃんと数をコントロールしないと、

 エサ自体がなくなる危険性もあるそうです。

 

 ですから、個体数をコントロールする意味でも、衰えてきた個体は、

 食べてもらった方が、集団全体としては都合がいいとも言われています。

 

 ある種のアブラムシにいたっては、個体数が増えすぎると、あえて天敵の虫を

 フェロモンで呼び、ある程度食べてもらうそうです。

 

 アブラムシの世界も、意外と奥が深いと思いませんか?

 


■会話、バサッ!っと切っていませんか?

 

 今回キリ助が、「朝晩は、だいぶ涼しくなってきたね」と、ジャンクに話しかけたら、

 「秋ですから」と、身も蓋もない回答が返ってきて、会話が終了してしまう場面がありました。

 

 ジャンクの回答は、『事実としは正しい』のですが、会話としては成り立ちません。

 

 私も24歳くらいまでは、ジャンクと同じような回答をしょっちゅうしていて、

 よく会話をエンストさせていました 。(苦笑)

 

 学生時代、「マクドナルドとモスバーガー、どちらが好き?」という話で盛り上がっているとき、

 「齊藤はどっちの方がウマイと思う?」と聞かれて、「そんなの人の好みによるでしょ」とサラッ

 と答えて、場の空気が一気に氷点下まで下がった気まずさを、今でもよく覚えています。

 

 でも、会話をエンストさせている本人としては、「コイツら、何でそんな当たり前のこと

 聞いてくんの?」くらいの勢いなので、罪の意識はゼロです。(懺悔)

 

 こういうタイプの人は、偏見を恐れずに言えば、『理系の男』に多い気がします。

 

 偏見ながら、『理系人間』は『事実』が最も大事なので、『会話を楽しむ』という

 発想自体が希薄です。

 

 一見つっけんどんな回答に思えても、本人には、そのつもりはないのです。
 (自己弁護)

 

 ですから、そんな人をあなたの近くで見かけても、温かく対応してあげてください。
 私も気をつけてはいますが、今だにバサッと会話を分断して、反感を買うことがあります。

 

 さて次に、自分への反省を込めて、バサッと会話を切ってしまうことがある
 人へのアドバイスです。

 

 まず大事なことですが、『会話には順番』があることを知りましょう。

 大事な用件があるときでも、いきなり用件からは入らないものです。

 

 最初は、天気の話や最近観たテレビの話など、あたりさわりのない会話で、

 雰囲気をつくってか ら、大事な用件を話します。

 

 ですから、最初の天気の話でバサッと切られてしまうと、(とくに女性は)

 大事な用件が話せなくなるのです。

 

 「天気の話なんてくだらねぇなぁ〜」と思ってしまったとしても、

 とりあえず話を合わせましょう。

 

 『会話の中身』としては意味がなくても、

 『雰囲気づくり』という意味では重要なのです。

 

 会話をバサッと切ってしまう人に、さらにもうひとつアドバイスです。

 『意味のない会話だけでも大事』なことがあります。

 

 人によっては、話している内容はどうでもよくて、話しているだけで、安心するらしいです。

 とくに女性はその傾向があるようです。

 

 だから、「今日、化粧品が安かった」とか、男の自分には

 まったく興味のない話でもちゃんと最後まで聞いてくださいね。

 

 彼女から電話がきたとき、間違っても、「何か用?」とか言ってはいけません。
 とりあえず聞いていれば、15分で終わる話も1時間の説教になります。(苦い思い出)

 

 相手は、用がなくても話したいのです。
 それを頭だけでもいいので理解してあげてください。

 

 以上、『元 理系、技術職員が教える、理系男子のための会話マニュアル』でした!

 

 ……って、何だか理系男子も女性も思いっきり敵に回している内容に思えますが、

 過去の私を含め、ホントーにこうしたことがわからない人もいるので、

 誤解や偏見を恐れず、あえて極端に書いてみました。

失礼な言い回しがあったかもしれませんがどうぞ、お許し下さい。

 

 

■欠点は、あなたの魅力

 

 私たちは、ついつい自分の欠点を直そうとします。 

 私の場合、ちょこちょこ落ち込みますし、ときどきグチグチ言っています。

 

 会社員時代は周囲から、「グチは言わないで、前向きにならないと!」と

 檄を飛ばされることもよくありました。

 

 当時は、そうした欠点を直そうとしましたが、結局直りませんでした。
 そして最近では、直す気すらなくなりました。

 

 比較的最近気づいたのですが、私は欠点が少ない人には、
 少し近づきにくいのです。

 

 どこかに隙がある方が、近寄りやすいですし、何より相手の欠点に対しても、
 「ま、いいか」という気分でいられます。

 

 自分が完璧になろうとすると、自分も追い込まれますし、
 相手の行動や態度にもイライラしがちです。

 

 ですから、周りに大迷惑をかけることがない範囲なら、

 そこそこ欠点がある方がいいと思うのです。

 

 ちょっと古い話ですが、「記憶の長嶋。記録の王」という言葉があります。

 

 これは野球の記録としては王さんの方が優れているものの、

 記憶としては長嶋さんの方が鮮明に残っているという意味です。

 

 王さんは記録も偉大ですが、人間的にも立派でした。
 だから周りの人がつけいる隙がなかったような気がするのです。

 

 一方長嶋さんも、名選手には違いないですが、飛行機に乗っているときに、

 「さすがファーストクラスは速いねぇ」と真顔で言ったなど、真偽はともかく、

 コメディアン以上におもしろいことを言う方です。

 

『野球では名選手でも、それ以外ではカンペキではない』

 

 長嶋さんの場合、この落差が多くの人から愛された理由のように感じます。

 

 ですから私たちも、得意な面はうんと伸ばす方がいいですが、苦手なものは、

 周りの大迷惑にならない範囲でなら、放置をしてもいいのかもしれません。

 

 逆に頑張って苦手を克服して、どれも平均的な能力になってしまうと、
 それこそ面白味がない人間になるような気がするのです。

 

 さぁ!私と一緒に、欠点を放置しませんか? (笑)

 


■探し物は足下にある

 

 「自分探しに外国へ」。これは全然悪いことではありません。

 でも、旅に出なくても自分は見つかると思っています。

 それこそ、自宅でも見つかります。

 

 要は自分を見つけるには、自分を見つめる必要があると思うのです。
 たとえば一例を挙げれば、

 

  ・ 自分は子どものころ、何が好きだったのか?
  ・ 自分は、どんなときに嬉しさを感じるのか?
  ・ 自分は、どんなときに怒りや悲しさを感じるのか?
  ・ 自分しか体験していないことは何であろうか?
  ・ 自分は過去、どんな失敗をしてきたのか?

 

 などがあります。

 

 これを組み合わせることが、楽しくて自分にしかできないことだと思うのです。

 

 今回キリ助は、『“歌”という自分が好きなもの』と、『人の役に立ちたいという欲求』、

 『過去のつまずきから学んだ教訓』の3つを組み合わせ、他の誰もが

 歌っていない分野で、オンリーワンの存在になろうと考えました。

 

 この3つは、すべて自分の内面にあるもので、外側にはありません。
 だから自分を探すには、自分を見つめる必要があるのです。

 

 猛省キリギリスは、『人の役に立ちたい』・『虫が好き』・『ビジネス書が好き』という、

 私の3つの内面を組み合わせて、他の人には書けないものを書いています。

 

 また私は、「会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ」という本を出しています。

 この本も、『人の役に立ちたい』・『なぜか乗せられたマグロ船で、仕事に役立つ考え方を

 教わった』・『ビジネス書が好き』という、自分の中にある3つのことを組み合わせて、

 私にしか書けない本を書きました。

 

 ですから大ざっぱなイメージですが、自分の中にある3つくらいのことを組み合わせると、

 自分がやりたくて、かつ自分にしかできないものが見えてくると思います。

 

 この自分の中にある3つを組み合わせる方法は、仕事でいきなりは試しにくい場合、
 まずは趣味など、プライベートな部分で使ってみてはいかがでしょうか?

 

 毎日が、今よりもちょっとでも自分らしく充実したものになることを祈っています。

「7話」についてのおまけページ

 今回も猛省キリギリスの7話(テントウムシの話)をお読みいただき、
 ありがとうございます。

 このページでは、7話についてのおまけ話をしたいと思います。


■テントウムシは人気者

 「虫は嫌い!」そんな方が多いかもしれませんが、
 テントウムシが嫌いという方は少ないでしょう。

 きっと童話などでかわいく描かれることが多いので、
 いいイメージがあるのでしょう。

 なので、ヒネクレ者の私としては、テントウムシのイメージを
 落とそうと、ワルいバァさんに仕上げてみました。

 ちなみに猛省キリギリスのイラストを描いて下さっている山元かえさんは、
 虫が得意ではないらしく、私が参考でお送りしている虫の写真
 (カマキリ・ハエ・寄生虫など)に毎回困っている様子です。

 でも、きっと今回はテントウムシなので、「たぶん大丈夫
 だったかなー」と、勝手に思っています。


■テントウムシはいい虫?

 テントウムシには、「アブラムシのような、害虫を食べてくれる
 いい虫」というイメージがあるかと思います。

 でもテントウムシのすべてが、アブラムシを
 食べているわけではありません。

 農家から、「害虫」と呼ばれるテントウムシもいるのです。

 「害虫」と言われるテントウムシの代表は、
 オオニジュウヤホシテントウです。


↓ オオニジュウヤホシテントウ

オオニジュウヤ400s.jpg



 このテントウムシは、じゃがいもの葉など、農作物を食べてしまいます。

 普通のテントウムシに比べて、背中がモリッとふくれています。
 「普通の人」と「ボディービルダー」の違いくらいあります。


↓ 普通のテントウムシ

ナナホシ400s.jpg

オオニジュウヤホシテントウと背中の盛り上がり方が違うのですが、
写真ではわかりずらいですね
 


 なぜ、オオニジュウヤホシテントウは背中がモリッとしているのか?
 それは、オオニジュウヤホシテントウは草食だからです。

 草は繊維質が豊富なので、『草食の生物』は、
 『肉食の生物』に比べて、消化に時間がかかります。

 そのため腸が長くなり、少し不格好な形になっているのです。


■チョウチョが親と子どもで全然違うワケ

 チョウチョは、親と子どもは全然姿が違います。

 チョウチョの子どもは、下の写真の通り、たいていの人が
 嫌がるイモムシです。


↓ チョウチョの幼虫

怒る幼虫400s.jpg

手で触ったので、怒ってツノを出しています



 でも、親になれば、誰もがきれいと思う、チョウチョになります。


↓ 羽化したてのチョウチョの親

羽化400s.jpg

とってもきれいですよねー



 でも、なぜこれだけ親と子どもの姿が違うのでしょうか?
 それは子どものときと親のときでは役割が違うからです。

 幼虫のころの役割は、『とにかく早く大きくなること』。

 ですから、幼虫を飼っているとわかるのですが、
 本当に一日中、エサを食べています。

 早く大きくなるための大事な要素のひとつは、
 『敵に見つからないこと』です。

 食べられたら元も子もないですからね。

 ですから幼虫時代は、葉っぱにそっくりの色になり、
 目立たぬよう、なるべく動き回らないようにしています。

 一方、成虫の役目は、『子孫を残すこと』です。

 その目的を達成するには、結婚相手を見つけやすいように、
 『飛ぶ』という手を使い、行動範囲を広げます。

 また、多少鳥に食べられてでも、異性から自分を見つけて
 もらいやすくするため、派手な模様になるのです。


■しっくりいかないなら、努力は止めちゃいましょう

 今の世の中、『努力すること』や『最後まで諦めないこと』が
 美徳になっているような気がします。

 でも、私は全然そうは思っていません。

 やってみて、うまくいかないし、おもしろくないならば、
 さっさと止めたほうがいいと思っています。

 私の学生時代の友人で、営業職に就いた人がいます。

 彼は、口べたであまり人とコミュニケーションをとるのが
 好きではありません。

 でも、大学を卒業してから営業職に就いています。

 口べたなので、営業成績は今ひとつ。
 仕事も楽しくないそうです。

 しかし彼は営業職で転職を続け、今、5社目で働いています。

 ある日、一緒に飲みに行ったとき、「もう、営業職での転職は止めたら?」
 と言ったら、「オレ、営業以外の仕事をしたことがないから……」と
 言われました。

 極端な言い方ですが、営業に向かない人がいくら営業職を
 点々としても、たぶん芽は出ないでしょう。

 それであれば、まだ今までやっていない業種に就いたほうが、
 いい成果を挙げる可能性があると思うのです。

 かくいう私自身も、自分に向かないことを
 一生懸命にやったことがありました。

 私は学生時代、体育の成績が「1」だったというほど、
 運動オンチです。

 でも高校時代、人数集めのために柔道部に勧誘され、ボブサップの
 ような見た目の先輩からの「入るよな?」という言葉に逆らえず、
 柔道部に入れられたことがあります。

 私が通っていた八王子高校の柔道部は、西東京では最強で、プロレスラーの
 小川直也さんなどを輩出している、本気で全国大会制覇を目指している学校でした。

 柔道部に入ってからはすぐに丸坊主になりました。

 私は体格も背も小さかったため、全然、柔道部員に見えず、同級生からは、
 「チンネン」という、一休さんに出てくる小僧のようなあだ名で呼ばれていました。

 そんな貧弱な私が全国大会に出ているような先輩らと、平日は夜7時まで練習。
 土日祭日は、朝から夜まで練習という柔道漬けの日々を送りました。

 まさに、旧 日本軍の、『月月火水木金金』というスタイルで
 生きていたような気分でした。

 結果、柔道を始めて8ヶ月で黒帯を取ったのですが、
 さすがに体がついていかず10ヶ月ほどで退部をしました。

 『黒帯』というと、強そうなイメージがありますが、私の場合、なんで
 黒帯が取れたのか、自分でもさっぱりわからないほど弱く、「はじめて
 柔道をやります」という人にも、きれいに負けるというありさまでした。

 当時の自分としては、「あれだけ毎日柔道を練習したのに、何で
 はじめて柔道をする奴に負けるんだ?!」と、非常にショック
 だったのですが、負ける理由は簡単で、私には運動の才能が
 ないからです。

 やはり、元々体育の成績が「5」を取っているような運動神経の
 いい人には、運動オンチの私がいくら努力をしても勝てないのです。

 部活を辞めてから、つい数年前までの10年以上、「自分はすぐに
 投げてしまうダメな奴」と自分でも思っていました。

 しかし、『猛省キリギリスを書く』など、『好き』で『得意な仕事』で、
 『周りから褒めてもらえる仕事』をしている今から考えれば、「なんで
 高校のとき、自分に向かない柔道を10ヶ月もやっていたのだろう?」 と思っています。

 部活だろうと、仕事だろうと種類はたくさんあります。

 仕事の種類なら、営業・開発・マーケティング・経理など
 いくらでもあります。

 だから、わざわざ辛くておもしろくない仕事にしがみつく必要は
 まったくないと思うのです。

 大事なのは、『ひとつのことをずっとやること』ではなく、『自分の
 “得意”で“好きなこと”を早く見つけること』
ではないでしょうか?

 そして、“好き”で“得意なこと”を見つけたら、そこではじめて
 周りから認められなくても、最後まで頑張る姿勢を貫けばいいと思います。

 “好き”で“得意なこと”をやっていれば、周りから認められなくても、
 それ程、苦にならないことも精神衛生上、大きなメリットと言えるでしょう。


■スキルアップも、止めちゃいましょう♪

 「スキルアップも、止めちゃいましょう♪」。
 我ながら今日は挑戦的な言葉がたくさん出ています。

 しかし、私も昔はスキルアップ大好き人間でした。

 会社員になり技術職に就いていたときは、技術書を読んだり、
 コミュニケーションに関するビジネス書を乱読して
 スキルアップに夢中でした。

 気づけば、スキルアップに費やしたお金は400万円を超えました。
 中古のベンツが買えるお値段です。

 その結果、私はどうなったかでしょうか?

 『本棚に本が埋まっただけ』でした。

 『ビジネス書は、読んではいけません』というタイトルの本を書いて、
 ビジネス書のコーナーに置きたいくらいです。

 でも、スキルアップをすべて否定するわけではありません。
 能力開発は大事です。

 しかし、たいていの場合、スキルアップをする目的が、
 『スキルアップをすること』になっているように感じるのです。

 たとえばコーチングなど、『人の話を聞く能力を磨くスキル』を学ぶのは
 いいのですが、それを学んだ人でも、自分がしゃべってしまう人が
 結構いるのです(笑)

 要は、「学んでいれば、そのスキルは使えるようになった」という幻想を
 持ってしまい、いわば資格マニアのような人が出てしまうのです。

 『知っている』と、『使えている』はまったく別の次元です。

 ある程度スキルを習ったら、習うのを止めて
 実践で使わないと意味がありません。

 私にはスキルアップは、空手を通信教育で
 習っているようなもの
だと思います。

 空手で強くなるのは、習ったことを実践で使わないと
 意味がないのと同じです。

 スキルアップを学んでいると、どうしても足りない自分が
 見えてしまいます。

 その足りない部分を補おうとして、また違うスキルアップを
 学んでしまうのですが、それこそスキルアップ中毒にかかるワナです。

 自称、スキルアップ中毒にかかったちという研修講師は、
 おもしろい話をしてくれました。

 彼は研修冒頭のツカミを、もっとうまくできるように
 なりたいと思ったそうです。

 そこで手品を習ったそうです。

 手品を使ったツカミがそこそこできるようになると、今度は研修発注者
 の経営者と仲良くなって、研修をたくさん発注してもらおうと思い、
 ゴルフを始めたそうです。

 そうして、ゴルフ雑誌を読んだり、練習場に行ったりして、
 ゴルフはそこそこの腕前になったそうです。

 しかし、その間、肝心な研修内容がマンネリになり、
 顧客が激減したそうです。

 彼はスキルアップに時間をかけ過ぎたことを反省し、再度、研修のネタを
 練るのに時間を使うようになり、手品やゴルフなど、研修と直接関係の
 ないことには極力時間を使わないようにしたらしく、また新たな顧客を
 掴むことに成功したそうです。

 ですからスキルアップは、自分の仕事に関係するものに
 なるべく集中させた方がいいでしょう。

 そして、そこそこ学んだら、不完全でもいいので早く実践に移して、
 自分に使いやすい技術にカスタマイズした方が、
 ずっと効果が出ると思うのです。

「6話」についてのおまけページ

今回も猛省キリギリスの6話(セミの話)をお読みいただき、
ありがとうございます。

このページでは、6話についてのおまけ話をしたいと思います。


■オトシブミについて

 6話の冒頭に出てきたオトシブミは、こんな形をしています。
 首が長いのが特徴です。


↓ オトシブミの仲間

オトシブミの仲間400s.jpg


 東京でも、よく見かける虫ですが、1cmにも満たないものが多いので、
 たいてい、誰も気づきません。

 ところで、『オトシブミ』という名前、変わっていますよね。

 平安時代などの貴族は、ラブレターなど直接相手伝えにくいものは、
 家の前に手紙を置いたりしたそうです。

 『オトシブミ』は生んだ卵を草に巻いて落とす習性があり、それが
 先ほどの貴族の習慣に似ているので、「オトシブミ」という名前が
 つけられました。

 とても風流な名前ですよね。

 かくいう私も学生時代、『落とし文』をもらった経験があります。

 ある日、学校に行き、下駄箱を開けると一通の手紙がありました。

 ドキドキして白い封筒を開けると、『この手紙を5人に回さないと
 あなたは死にます』と書いてありました。

 こうした類の『落とし文』は、ぜひとも止めてほしいですね。


■セミについて

 結構知らない人が多いのですが、セミは、カメムシの仲間です。
 写真の通り、両者ともまっすぐなストロー状の口です。


↓ カメムシの口(東京都 東大和市)

口器ss.jpg



↓ セミの口(東京都 立川市)

セミの口400s.jpg



 さらに言えば、アメンボもカメムシの仲間です。



↓ 三角形のアメンボ

シマアメンボ400s.jpg

シマアメンボ(東京都 国立市)


 「セミとアメンボは、何でカメムシの仲間なのに、臭くないの?」
 と聞かれることがあります。

 実は、セミもアメンボも結構臭いがあるのです。

 アメンボは、たくさん集めると、飴のような甘い香りがします。
 ですから、『飴ん棒』という言葉が変化し、アメンボと呼ばれて
 いるのです。

 ではセミはというと、どんな臭いがするでしょうか?
 それは何と、『枝豆の臭い』です。

 セミが持つ、枝豆の臭いを楽しむためには、
 まず、セミの幼虫を捕まえます。


↓ 夜7時頃、土の中から出てくるので、それを捕まえて下さい(東京都 国立市)

セミ幼虫400s.jpg



 それを150℃くらいの油で数分揚げて食べてみましょう。

 ぷりぷりのエビに、枝豆をまぶしたような味になり、
 とてもおいしいです。(調理済みの写真は、一応、自主規制)

 セミは、果樹園農家にとっては害虫です。

 農家の中には駆除の意味も込めて、ビールのつまみなどで
 食べていらっしゃる方もいるようです。


■なかなか見つけられないセミ

 ときおり、「セミは木の模様と似た形に進化したから、
 なかなか見つけられない」と言う人がいます。

 この言い方だと、まるでセミ自身が、「木に似よう!」と
 努力をしたように聞こえます。

 しかし、セミにはそこまでの知能はないでしょう。


↓ 木の模様とそっくりなセミ

木にそっくり400s.jpg


 では、どうしてセミは木とそっくりの模様になれたのか?

 それは6話にも書いた通り、『木の模様に似たセミ』は、『派手な
 模様のセミ』に比べて鳥などに見つかりにくかったため、結果として
 『派手な模様を持ったセミ』よりも生き残る数が多かっただけです。

 この鳥とセミの、命を懸けたかくれんぼを何億年も繰り返し、セミは
 鳥に見つかりにくい、木の模様にどんどん似てきてしまったのです。

 これがいわゆるダーウィンの「自然選択説」です。


■失敗することについて

 『失敗』という言葉から、あなたはどんなイメージを想像しますか?

 おそらく、「怒られる」、「恥ずかしい」、「自分の未熟さが
 露呈する」などネガティブなことが頭をよぎると思います。

 でも実際、失敗を繰り返さないと自分の能力は広がらないでしょう。

 たとえば、自転車に乗れない子どもが、一度も転ばずに自転車に
 乗れるでしょうか?

 きっと無理ですよね。

 自転車に乗れるようになるためには、何度も『転ぶ』という失敗を
 繰り返すから、自分の能力は広がり、今まで乗れなかった自転車に
 乗れるようになったのだと思います。

 6話では、『セミの進化』を例にとりながら、自分の能力を広げる
 ための原理原則は、『失敗を多くして、失敗から学ぶことだ』と
 いうことを私は書きました。

 でも私たちは、ついついその原理原則を忘れ、失敗を恐れるあまり、
 自分ができることしかしなくなります。

 もちろん、1回の失敗が、命や全財産を失うほどのハイリスクなもの
 であれば、慎重にならざるを得ないと思います。

 しかし、失敗することで、『恥ずかしい思いをする』、『誰かから
 怒られる』、『自分の今の能力を知ってガッカリする』程度のもの
 であれば、どんどん失敗をしたほうがいいと思います。

 『失敗をすることで、恥ずかしい思いをする』。
 これは失敗した本人は、心が傷つきます。

 しかし、このときの心の傷は、『ささくれ』と同じようなもの
 だと思うのです。

 ささくれというものは、本人にしてみればとても痛く、
 常に指先が気になります。

 しかし、「ささくれが痛い」と周りの人に言っても、
 誰も心配しません。

 失敗したときの痛みもこれと同じで、失敗した本人にとっては、
 「自分はもうダメなんだ!」と深く落ち込むようなものでも、
 周りの人からは、「いくらでも挽回がきくよね」という程度
 のものだと思うのです。

 つまり、失敗というものを、大げさにとらえすぎるせいで、「失敗
 したらどうしよう……」と、本当はやりたいことでも、なかなか
 一歩を踏み出せないケースが多いのではないかと思います。

 この猛省キリギリスは、『虫の生態』から『人の生き方』を学ぶという
 コンセプトで書いています。コラムのアイデアとしては、おそらく
 はじめての試みだと思います。

 はじめての試みなので、このコンセプトが広く受け入れられるのか
 私にはさっぱりわかりません。

 失敗する可能性も充分にあります。

 ですから私自身も内心、「失敗したらどうしよう?失敗したら、
 友だちの何人かには、『アイツはまた変なことやったなー』って
 言われるだろう」と、恐れる気持ちも少しはあるのです。

 でも、『自分の能力を広げるには失敗は必要』という原理原則を
 思い出せば、失敗を恐がっていては何も新しいことができないのです。

 自分の感覚では『大失敗』でも、客観的に見れば、『「お疲れさん」
 と言われる程度の失敗』。

 このギャップに気づけば、自分のやりたかったことを始める勇気に
 つながるのではないかなと思います。


■ライト兄弟は、英雄ではなかった?!

 私は虫が好きですが、それ以外にも自然科学全般が好きで、
 よく科学博物館に遊びに行っています。

 『失敗の大切さ』というテーマを考えたとき、私はよく、
 『飛行機の発明』が頭に思い浮かびます。

 はじめて動力を使った飛行機を発明したのは、
 誰もが知っているライト兄弟です。

 ライト兄弟が飛行機を発明してから今日までは、
 わずか105年しかたっていません。


↓ ライト兄弟の飛行機 (交通博物館)

フライヤー号400ss.jpg


 この105年で人類は、1秒間に11キロ進み、東京から大阪へは約50秒で
 着いてしまう、月ロケットという乗り物までつくってしまいました。

 一方で、ライト兄弟が最初につくった飛行機はどうだったでしょう?

 初飛行で飛んだ時間、なんとわずか12秒。
 「飛んだ」というより、「落ちた」に近いくらいです。

 しかも、この世紀の大発明を見たのは、ライト兄弟を含めわずか7人。

 おまけに見に来ていた人は、「墜落してケガをしたら助けてあげよう」
 と思っていただけだったらしく、「世紀の発明が見られるかも!」と
 いうような、期待をしていなかったそうです。


↓ 人類初の動力飛行の様子 (交通博物館)

飛んだ時の絵400ss.jpg

ライト兄弟のほか、5名の見物人しかいません(寒)


 繰り返しになりますが、それからわずか105年で月ロケットに
 発展するとは、ほとんどの人が想像できなかったと思います。



↓ 国産のロケット 1/25サイズ (茨城県 JAXAにて)

H-UA400ss.jpg

あっと言う間に人類は、宇宙に行けるようになってしまいました



 今はライト兄弟を例にとりましたが、科学技術の進歩は、大半は最初、
 ライト兄弟と同じくらい、低いレベルからスタートしています。

 だから失敗にめげたり、自信をなくしたりする必要なんて
 まったくないと、私は強く言いたいのです。

 多くの人が失敗をすることで挑戦をあきらめる傾向があるからこそ、
 失敗を恐れないようになるだけで、非常に強い優位性を持ったことに
 なるでしょう。

 何かを成功させるとき、もちろんテクニック的なことも大事ですが、
 その前に、こうした失敗を恐れなくなる考え方を、土台に持つことが
 大事だと思うのです。


■いい失敗と悪い失敗がある

 先ほどから私は、「失敗はどんどんしたほうがいいです」と
 声高らかに言いながら、失敗でも、気をつけるべきことがあります。

 それは失敗したときの原因を、自分の周りのせいにしないことです。

 たとえば、新しく開発した商品に対して、お客様からクレームがきた
 場合、「あの客は、細かいことにうるさい」と言ってしまったら、
 クレームの原因を改善していなので、同じことを繰り返してしまう
 のです。

 ですから何かを行動して失敗した場合、「改善すべきところがある
 ことを教えてくれているんだ」と、非常に中立的に考えるのが一番
 いいと思うのです。

 そうすれば失敗をしたことに対して、自信をなくすこともないですし、
 「アイツのせいで師失敗した!」と、傲慢にならなくてすむと思うのです。

 『自分の失敗』にも、『他人の失敗』にも許す気持ちを持つことは、
 ストレスをためない生活にもなりますし、人間関係を良好に保つ上
 でも大事かもしれません。

5話についてのおまけ話

 猛省キリギリスの5話(ハエのお話)も読んでくださいまして、
 ありがとうございます!

 ここでは、5話についてのおまけを書いてまいります。

■神様になっている虫

 今回、ベルゼブブと呼ばれる、ハエの神様を登場させました。

 しかし、私の知識の範囲では、虫が神様になっていることは
 あまり多くないようです。

 日本では、玉虫やトンボなど、縁起物にはなっていますが、
 神様になっている虫は聞いたことがありません。

↓ 玉虫

タマムシ400s.jpg

『タンスに入れておくと着物が増える』と言われる、縁起のいい虫です。

でも、うちには効果はありませんでした。



「昆虫 この小さきものたちの声 虫への愛、地球への愛」ジョアン・
エリザベス・ローク(著) 甲斐理恵子(訳)〔日本教文社〕によれば、
ロシアとフランスの一部では、ゴキブリを守護霊として扱う習慣が
あって、家にゴキブリが出ることを喜ぶそうです。



■ハエの羽

 昆虫は、羽が4枚あると習ったと思いますが、
 ハエの仲間は、羽が2枚です。

 残り2枚は退化して、虫ピンのような形になっています。
 平衡感覚を司る、センサーの役目などがあると言われています。

↓ 退化した羽(青い丸の箇所)

平衡棍400s.jpg

『平行棍』と呼ばれています




■虫の感覚器

 5話の中でお話した通り、ハエは手で味覚を感じています。

 現在分かっているハエが感じ取れる味は、「糖分」、「塩分」、
 「二酸化炭素」などだそうです。

 「二酸化炭素」を味で感じるというのは、
 人間にはよくわかりませんね。

 二酸化炭素がたくさん発生するような場所には、ハエが好きなエサ
 である微生物が多くいることが多いので、二酸化炭素を味で感じ
 られるようになっていると言われています。


↓ 手をすりすりするのは、味覚センサーの掃除のためと言われています

手をする400s.jpg



 『変わったところに感覚器がある』というお話で言えば、
 コオロギにいたっては、前足に耳があります。


↓ コオロギの耳(赤い丸の部分)

耳400s.jpg


 人間からするとちょっと変に感じますが、そんな人間の耳は、
 エラ(の穴)が進化したものと言われています。

 ですから魚から見れば、人間のほうが「変な生き物」と
 思うかもしれません。



■たくさん卵を産む虫

 虫のなかで、もっとも多く卵を産む虫は、おそらくシロアリだと
 思います。アフリカに住むオオキノコシロアリは、毎日3万個も
 卵を産みます。

 だからといって、すべてが寿命をまっとうできるわけではなく、
 途中で死ぬ個体も多くいるようです。



■人のアドバイスを聞く態度

・アドバイスを聞くのは、一見ムズカシイ

 本来、人にアドバイスをするときは、相手の状況や立場を
 よく知った上で伝えるのがいいと思います。

 しかし、それは理想であって、現実には相手のことを深く考えず、
 思いつきのアドバイスをするケースがほとんどのように感じます。

 ですから、「こうすればいいじゃない!」、「何で、こうしない
 んだ!」というような、上から目線で思いつきのアドバイスを
 され、「できない理由があるのに……」と、嫌な思いをした
 人も多いのではないでしょうか?

 でも、「そんなのはできません!」と、正面きって反論をして
 しまうと、アドバイスをしてくれる側は、「この人には言っても
 無駄だ」と思われ、だんだんアドバイスをしてくれなくなるでしょう。

 他人のアドバイスを聞かず、自分の考えだけに固執してしまうと、
 偏り過ぎた考えになってしまい、物事がうまくいかなくなる
 可能性があります。

 たとえ思いつきのアドバイスであっても、何個かに1個は、
 自分が見落としていた、いい意見があるものです。


 まとめますと、物事をうまくいかせるためには、他人のアドバイスが
 必要ですが、他人のアドバイスを聞くには、『たくさんの的外れな、
 上から目線のアドバイスに耐える精神性が必要』です。

 ですから、アドバイスをたくさんもらうには、
 精神を強く鍛える必要があるのです!


 ……とは、私は思っていません。



・的はずれなアドバイスに、心が折れない精神性を身につける方法

 たくさんの的外れな上から目線のアドバイスに耐えるのに一番有効
 なのは、『アドバイスのほとんどは、自分には使えない』と、
 最初から割り切っておくことだと思っています。

 そうすればアドバイスをしてくれた人に対して、「なんで、あの人は
 自分のことをわかってくれないんだ?!」とイライラしたり、
 悲しくなるようなことは相当数減らせます。

 私はゴキブリ、ナメクジ、シロアリなど、一般的には
 害虫と言われる虫を飼うのが好きです。


↓ ゴキブリの飼育ケース

飼育ケース350s.jpg

いっぱいいます黒ハート



 おかげさまで周りの人からは、奇人変人扱いなため、自宅などは、
 指をさされて「ゴキブリ ハウス」と呼ばれることもあります。

 そんな状態ですから、「齊藤、もっとマトモになれ」という
 アドバイスをたくさんされます。
 
 ときには、1時間以上、諭されることもあります。

 そんなとき、アドバイスをまともに受けていたら、相当なストレスが
 たまりますし、途中で、「余計なお世話です!」と、怒り出して
 しまうかもしれません。

 でも、『アドバイスのほとんどは、自分には使えない』と最初から
 割り切っておけば、とりあえず、「なるほど」と答えておいて、
 「そうかー、この人はこういうふうに思うんだね。たしかに
 そういう見方もあるなー」と、冷静に相手の言っている
 言葉のみを理解することができます。

 ですから、「自分の精神を頑丈にしよう!」などとは考え
 る必要はなく、考え方をちょっと変えればすべてが解決するのです。

 5話のコラムでも書いたように、自宅に帰ってはじめて、
 「どれか使えそうなアイデアはあったかな?」と、
 手帳を見返すくらいでちょうどいいと思います。

 以上はお金も時間もかからずに、余計なストレスを
 ためずにすむので、かなりオススメです。


◎参考図書

 「昆虫 この小さきものたちの声 虫への愛、地球への愛」
 ジョアン・エリザベス・ローク(著) 甲斐理恵子(訳)
 〔日本教文社〕

4話についてのおまけ話

■本体をコントロールする寄生虫

 あなたがイメージする、寄生虫はどういう生き物でしょうか?

 おそらく多くの方は、寄生虫はお腹で静かに暮らしていると
 思っているのではないでしょうか?

 しかし寄生虫の仲間には、今回ご紹介したハリガネムシのように、
 本体を操ってしまう種類のものがいます。
 
 そして操られた側は、死ぬ運命にあることがほとんどのようです。

 8月の下旬ごろ、カマキリを捕まえたら
 水にお腹をつけてみてください。

 40cmくらいのハリガネムシが、30秒ほどで出てくることがあります。

 私が試したところでは、だいたい40匹のカマキリのうち、
 1匹くらい、ハリガネムシが入っています。

 おそらく地域差が非常にあると思いますので、
 今年の夏は、ぜひお試しください!


↓ カマキリと、そのなかに入っていたハリガネムシ

カマ&ハリ400s.jpg



↓ ハリガネムシの動きを動画で見られます


(再生時間 約14秒)



■寄生虫の強さと弱さ

寄生虫は本体の体にうまく入り込んでしまえば、かなり強い生物です。

ハリガネムシのように、本体をコントロールして
思いどおりに操ることもできます。

人間には、「ズルくてヒドイ生き物だ」というにも
見えるかもしれませんが、実はそうではありません。

寄生虫が、うまく他の動物に寄生できるのはごく稀で、
ほとんどが寄生できずに死ぬとも言われています。

つまり、寄生虫は寄生すること自体が強みであり、逆にそれが
大きな弱みになっている生物で、すべての生き物と同様、
必死で生きる努力をしています。


■寄生虫は虫か?

寄生虫は、『虫』とついていますが、正確にいえば、
『昆虫』ではありません。

何かに寄生する動物全般をさして、寄生虫と呼んでいます。

ですから、寄生虫には、「昆虫の仲間」、「ミミズの仲間」、
「クラゲの仲間」など、多様な生物が含まれています。


■誘惑には大いに負けてよい!

今回、寄生虫を心の声にたとえて、「そんなの止めちゃえ!」と
誘惑する、もうひとりの自分を表現してみました。

ですから、多くの人は、『誘惑する心の声(パラ子)』を
悪者として受け取ったのではないでしょうか?

しかし、この話を書いた私は、パラ子は『大事なことを
教えてくれる使者』として書いています。

あなたに「そんなの止めちゃえ!」と誘惑する声は、
「あなたにその仕事は合っていない」と、大事な
ことを教えてくれていると感じるのです。

一般的には、『単調な仕事ほど、人は退屈な気分になってくる』と
言われています。

しかし、私はそれを間違いだと思っています。

少し、子どものころを思い出してみてください。

男の子であれば、ヒーロー人形がひとつあれば、
何時間でも遊べたと思います。

女の子であれば、着せ替え人形があれば、
やはり何時間でも遊べたと思います。

私の場合、『ナメクジバス』という遊びが、
3歳のころから好きでした。

ナメクジバスとは、黄色いバスのおもちゃに、そこら辺から
かき集めたナメクジを満載して、「ブッブー」と言いながら
バスを動かすだけです。

はたから見れば、何が楽しいのかさっぱりわからない
遊びだったと思います。

両親からはナメクジバスを止めされたれた記憶はありませんが、
「変な子ども」とは思われていたかもしれません。

ナメクジバスは、別に誰から認められたいとも思いませんでした。

ただ、おもちゃのバスにナメクジがびっしり
乗っていればよかったのです。

それだけで何時間でも遊べましたし、33歳になる今年でも、
ナメクジバスの楽しさを、ついこの間のように、はっきり覚えています。

ちなみに大人になった今でも、私はパソコンに向かって、
このコラムをずっと考えているのが好きです。

周りの人からみれば、「ずっとパソコンの前にいて大変そう」と
思われることもあるのですが、本人としては、ひと文字ひと文字
を入れる作業がキリ助に命を吹き込む作業に錯覚するときもあり、
とても楽しいのです。

このコラムが誰から評価されたりすれば、それはそれで嬉しい
のですが、個人的には書いているだけでも楽しいので、周りの
人から評価されなくても全然構わないのです。

私は虫が大好きですし、上司からいじめられてウツになった経験が
あるせいか、人の生き方について考えるのも好きです。

その好きなもの同士をミックスさせる作業は、おそらく他の誰も
やっていないことですし、自分だけにしかできないことなので、
なかなかアイデアが出なくても、考えていること自体が楽しく、
ワクワクするのです。

今、あなたが取り組んでいることに対して、「止めちゃえ」と
ささやくもう一人の自分は、「そんな誰にでもできて、多くの
人と競争になるようなことに時間(命)を使うんだったら、
もっと、自分だけにしかできない仕事をしようよ!」と
教えてくれているのだと思います。

だからといって私は、「転職をしたほうがいいですよ」と
言っているわけではありません。

ヘタに転職をしても結局はまた、周りの社員たちと同じ仕事をこなし、
他の社員たちと仕事の成果を比べられてしまうので自分らしさを
出せず、根本的なところは、転職前とあまり変わらないと思う
のです。

それよりも過去、あなたが『好きなこと』や『得意なこと』、
『褒められてうれしかったこと』を、今の仕事に少しでも
取り入れることはできないでしょうか?

それによって、他の社員と比較されないオンリーワンの社員に
なれる上、何より自分の好きなことを仕事にできるので、
仕事が楽しくなると思うのです。

前々回の記事でお話したとおり、私は研究所の技術者でありながら、
本社とのコミュニケーションの橋渡し役というオンリーワンの業務を
しながら、自分自身も楽しく感じる仕事をしていました。

きっと会社から与えられていた、研究の仕事ばかりやっていては、
周りの社員と競争になったうえ、評価も周りの社員との業績の差
だけで比べられたと思います。

「つまらない」と感じる仕事は、今日から頑張り過ぎることを止め、
代わりに、「今の仕事に何を加えたら、自分しかできない仕事で、
かつ自分自身がやっておもしろい仕事になるかな?」と考えることに
時間を費やしてはどうかと思います。

楽しいと思えない仕事、それはきっと、自分が何者であるかを
忘れてしまっているサインのように感じます。

3話についてのおまけ話

■コオロギについて

 黒くてカッコいいので、個人的に好きな虫です。

 個人的には、映画マトリックスのキアヌリーブスに似てるなと
 思います。 (今のところ、賛同者はゼロです)

 鳴き声は「リリリ」という高い声で、もの寂しく繊細です。

 
↓エンマコオロギ

エンマコオロギ2匹s.jpg


 コオロギのなかには、おもしろい見た目の種類がいます。
 顔面を、プレス機で押しつぶしたような感じの、ミツカドコオロギです。

 真っ平らな顔面が不思議な感じです。


↓ ミツカドコオロギ(群馬県)

ミツカド顔アップs.jpg



 ちなみに、顔面が真っ平らなのは、オスだけで
 メスは普通の顔をしています。


↓ ミツカドコオロギを動画で見られます(再生時間:約8秒)




■パピ子のモデルについて

 パピ子のモデルは、オオミズアオという、
 手のひらサイズの大きな蛾です。

 独特の青みを帯びたシンプルな色とデザインが、一般の人には
 ブキミに見え、蛾が好きな人には魅力的に見える種類です。


↓ オオミズアオ(東京都立川市)

手乗りオオミズアオ400s.jpg



 蛾が好きな人たちに、「蛾のなかで、どの種類が一番好き?」と
 たずねたら、オオミズアオは、おそらくベスト5には入ると思います。

 かくいう私もオオミズアオが好きで、過去、家のなかに、
 オオミズアオの標本を、10匹以上、棚に飾っていました。

 でも、たずねてくる人たちから、すこぶる不評でしたので、
 泣く泣く片付けました。

 岩手に住んでいたときは、この蛾が体育館の壁にたくさん
 はりついていたのですが、東京ではあまり見ないですね。

 パピ子は、「私は蝶!」と言い張るのが特徴でしたが、実際に、
 蝶と蛾はそれほど違いがあるわけではありません。蝶と蛾の違い
 について、詳しい解説は下をご覧下さい。


■蝶と蛾の違いについて

 蝶と蛾の見分け方は、結論から言えば、
 見た目では正確にはわかりません。

 一般的には、「昼間に飛ぶのが蝶で、夜に飛ぶのが蛾」と言われたり、
 「羽をたたんで止まるのが蝶で、羽を広げて止まるのが蛾」と言われ
 がちですが、それには例外がちょこちょこあります。

 そういう理由もあり、フランスなどでは、蝶も蛾もひとくくりにして、
 「パピヨン」と呼んでいます。


↓ 蛾と間違われやすいイチモンジセセリチョウ

イチモンジセセリs.jpg

『色が地味』で、『胴が太く』、『羽を広げて止まる』
ことが多いので蛾とよく間違われます


 分類学的に言えば、「アゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、
 セセリモドキ(上)科」の蝶類のみを「蝶」と呼び、それ以外
 の蝶類を「蛾」と呼びわけています。

 蝶類には、他にもたくさんの「上科」という種類があるので、
 結果的に蛾は、蝶の何十倍も種類が多くなります。


■地球で一番大きかった虫

 トンボはかつて、地球上で最も巨大な虫でした。そのトンボは
 化石として発見され、羽から羽までの長さが75cmもあります。


↓実物大の世界一大きかった虫の絵(多摩動物公園にて撮影)

メガネウラ400s2.jpg


 名前はメガネウラと言います。「メガネ」と、付いていますが、
 「トンボのメガネは水色メガネ♪」でおなじみの童謡とは、全く
 関係ありません。

 読み方は、「メガネ・ウラ」と、切って読むのではなく、
 「メガ・ネウラ」と切ります。

 「メガ」は、「大きい」という意味です。
 「ネウラ」は、神経を意味する「ニューロン」の語源で、
 「線」を表します。

 トンボの羽には、網目状のスジが入っていますよね。
 それをネウラと呼んでいるのです。

 ですから、メガネウラを直訳すると、「大きな線を持つ虫」
 という事になります。


↓網目状のトンボの羽

トンボの羽(ネウラ)400s.jpg

この網目をネウラと言います



■仕事は、うまくいってなくてもよい理由

「仕事でうまく成果を出せない」。これは精神的にとても辛いですよね。

でも、それは考え方を変えると、「今のやり方ではダメです」と、
自然が教えてくれているようにも思うのです。

しかし自然は、何がダメかまでは具体的に教えてくれません。
「販売方法」・「商品の性能」・「商品説明の話し方」・「知名度」
など、色々と自分の力で改善する必要があると思います。

私は前職で、『マグロの鮮度保持剤』というものを、
マグロ船用に開発をしました。

これを使うことで、マグロの保存期間が長くなり、
その分、沖で漁を長くできるというものでした。

しかしながらこの商品は、高額だったため、あまり売れませんでした。
会社の方針としては、「値下げはできない」ということでしたので、
使い勝手を向上させたり、広告にお金を使ったりもしたのですが、
あまり売れませんでした。

当時の私としては、完全に行き詰まった心境だったのです。

ある日、漁港に『マグロの鮮度保持剤』の営業に行った際、漁師は
船の甲板にある、マグロを収納する大きなタンクを大きなデッキ
ブラシを使って掃除しており、「魚の臭いが落ちねぇ」と言って
いました。

どうやら漁師は、マグロを収納するタンクにこびりついた魚の臭いが、
マグロが腐るスピードを加速させていると考えていたのです。


↓ マグロを保存するタンク(赤い丸をつけた5箇所)

ともからブリッジ赤丸s.JPG


 タンクの殺菌と消臭程度なら、比較的簡単に、しかも安価でできそう
 だったので、会社の研究室に戻り、早速試作品を作りました。

 この試作品は今でいう、衣類の除菌スプレーのマグロ船版
 といったところでしょう。

 そして、懇意にしている船に使ってもらったところ、
 「タンクの臭いが消えた!」と、非常に喜んでもらったのです。

 この殺菌消臭剤は安価なこともあり、ヒット商品にすることが
 できました。

 私の経験からも、『うまくいかないとき』は、
 『自分が活躍できるすき間』を探す時期だと思います。

 試行錯誤して、自分が入れるすき間を見つけられれば、大げさに
 言えば、その分野での第一人者と見てもらえるので、お客様と
 対等に話す営業もすることが可能です。

 ちなみに、『自分が活躍できるすき間』のことを、生物の用語では
 『ニッチ』と言います。古代の昆虫たちは、恐竜との生存競争の
 なかで、小型化により、まさに『生きるすき間』(ニッチ)を
 見つけたと言えるでしょう。

2話の振り返り

2008年12月25日

2話のミミズの話を読んでくださって、ありがとうございました。
今回もこのページにて、虫の裏話などをしていきたいと思います。

■ミミズについてのお話

 今回は30cmの大きなミミズを登場させましたが、
 30cm級は、実はそんなにめずらしくないようです。

 九州や四国の山では、割と多く50cmくらいのミミズが出るそうです。

 ちなにみ私の住む、東京都立川市で、私が見つけた限りでは、
 23cmのミミズが一番大きかったです。

23cm250s.jpg

↑ 23cmのミミズ


 なお、ギネスブックに載っているミミズは、長さが6.6mだそうです。
 ケタが違いますね。


■カタツムリとナメクジの話

 猛省キリギリスの本文にも書いたとおり、カタツムリは、
 カルシウムがたくさんないと生きていけません。

 よく、民家のブロック塀に、カタツムリがたかっている姿を
 見ると思いますが、あれはブロック塀を食べて、カルシウム
 を補給しているのです。

ブロックを食べる400s.jpg

↑ ブロック塀を食べるカタツムリ



 ちなみに、カタツムリもナメクジもご先祖様は一緒です。

 ご先祖様は、海に住む巻き貝でした。
 平たく言えば、サザエとかアワビの仲間です。

 そんな巻き貝が、海から出てきて陸上でも生きられるように
 なったのが、カタツムリやナメクジなのです。

 ちなみに、イカとかタコも元は貝でした。
 知ってました?


■「解雇」への対策と、「自分らしさ」について

 私もそうでしたが、やはり人は人と比べがちですよね。

 「あの人は、仕事が早くてうらやましいな」と、
 ついつい思ってしまいます。

 でもそれは、進化の目線で考えてみると、ないものねだり
 なのかなと思います。

 たとえば、カタツムリとキリギリスは、どう考えても違う生き物
 なので、お互いに憧れる部分があってもマネのしようがないのです。

 キリギリスに生まれた以上、キリギリスらしく
 生きるしかないのでしょう。

 今、ニュースなどで繰り返し放送されている通り、
 誰も体験したことのない、不景気の時代に入っています。

 そして、「自分も、いつ解雇されてしまうかわからない」と、
 多くの人がおびえてしるのかもしれません。

 私は思うのですが、『会社から与えられた仕事』は、大抵の人に
 とって、自分には合わない仕事をさせられている気がします。

 それはつまり、カタツムリとして生まれたのに、
 キリギリスが得意な仕事を与えられるようなものです。

 こうした状態では、当然働いていてもおもしろくないですし、
 自分ではなくてもできる仕事なので、すぐに解雇をされる
 可能性が高くなるのでしょう。

 しかし、与えられた仕事に、うまく自分の特長を付加できれば、
 自分らしい仕事ができる上、職場でオンリーワンの人材になれます。


 私の例でちょっと説明します。私は元々、バイオ系の技術者でした。

 私が勤務していた研究所では、技術者は営業部や企画部の社員と
 上手にコミュニケーションが取れず、開発が遅れることがよくありました。

 私自身も、あまりコミュニケーションが得意ではなかったのですが、 
 「うまくなりたい」と思い、自費で講習に通い、ある程度のスキル
 を身につけました。

 そのスキルを職場でも使ってみた結果、私は他部署と研究所を結ぶ、
 コミュニケーションのパイプ役のようなことをやっていました。

 このパイプ役の仕事は、元々は会社から指示された仕事ではなかった
 のですが、いつの間にか、パイプ役になることも業務のひとつに
 なっていたのです。

 しかも、この業務は私しかできなかったので、わりと重宝されました。

 入社したときに与えられた、『研究開発』という仕事だけでは、
 私はあまり優秀ではありませんでした。
 
 でもそこに、「コミュニケーションが上手になりたい」という自分の
 願望を、『与えられた仕事』に組み合わせたことで、自分だけが
 できるやりがいのある仕事ができるようになりました。

 今取り組んでいる業務に、『自分が好きなこと』、『自分が得意な
 こと』、『自分がお金をかけてきたこと』のどれかを組み合わせると、
 きっと、会社からも一目置かれるオンリーワンの人材になれると
 思うのです。

 オンリーワンの人材になれれば、会社としても解雇をしたくない
 人材になるでしょうし、何より自分自身、仕事が楽しくなります。

 会社で仕事をすると、ついつい自分の個性を捨てて、
 業務に取り組みがちになります。

 しかし、個性を捨てた仕事をすると、『取り替えのきく部品』
 のような扱いをさる危険が出るのです。

 ですからきっと、カタツムリはカタツムリらしく、キリギリスは、
 キリギリスらしく、個性を捨てずに働くことが、解雇をされず、
 かつ、仕事を楽しむコツのように感じるのです。

 個性を取り入れて仕事をすることは、きっと一般事務や製造のような、
 定型業務が多い仕事でも、きっとできると思います。

 猛省キリギリスを通じて、楽しく仕事をするヒントを差し上げられ
 たらと思っています。次回も楽しみにしていて下さい。

1話の振り返り

2008年12月11日

 猛省キリギリス、ようやく1話と2話がスタートしました!

 連載のお話をいただいたのは8月だったのですが、今は12月。
 気づくと、虫の季節とは真逆なことに猛省です ふらふら


●キリギリス、見たことありますか?

 今回、主役はキリギリスのキリ助なのですが、
 キリギリスは、こんな姿、形をしております。

キリギリスs.jpg


 「バッタみたい!」と、言われたことがあるのですが、
 キリギリスは、バッタの仲間です たらーっ(汗)

 立川周辺の多摩川では、キリギリスの子どもは
 よく見るのですが、大人はあまり見ないんですよねー。

 
 ちなみにキリギリスの親戚、クビキリギスは、
 さむーい今の時期でも生きています。

 うちでも虫かごに入れて飼っています。さすがに寒いので、
 じっとして動いていませんが。 

クビキリギス400s.jpg

↑ クビキリギス
 


 キリギリスの仲間は、口が非常に鋭いです。「たかがバッタ」と、
 思って油断をしていると、血が出るくらい、強くかまれます。


キバ400s.jpg

↑ クビキリギスの鋭い口




●アリンコの話

 意外に知られていないのですが、ハチが進化した虫がアリです。

 ハチの羽をなくして、色を黒くすれば、アリそっくりですよね。
  

ミツバチ真横300s.jpg

↑ ミツバチも、羽を取れば、アリにそっくりです



 普通の働きアリには羽がありませんが、オスアリは羽が残っています。

オスアリs.jpg

↑ 私の親指の爪で、足を押さえられているオスアリ



 結婚の日になると、アリが大量に空を舞います。そのおかげで、
 今年も、家の中にはたくさんのオスアリが入ってきました。

ハネアリ達.jpg

↑ 大量に家に入りこんでくるオスアリ(ごく一部)


 ちなみに2〜3日我慢していれば、アリの結婚式も終わるので、
 待っていれば、アリは自然にいなくなります。


 このオスアリたちは、ほとんどがメスと
 結婚できなかったあぶれオスです。

 ご近所には、こんなにアリが家の中に入ることがないそうなので、
 なぜうちに入ってくるのか疑問です。

 私自身があぶれオスだから、何か波長が合うのでしょうか? もうやだ〜(悲しい顔)