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今回も猛省キリギリスの6話(セミの話)をお読みいただき、
ありがとうございます。
 
このページでは、6話についてのおまけ話をしたいと思います。
 
■オトシブミについて
 6話の冒頭に出てきたオトシブミは、こんな形をしています。
 首が長いのが特徴です。

↓ オトシブミの仲間

オトシブミの仲間400s.jpg
 東京でも、よく見かける虫ですが、1cmにも満たないものが多いので、
 たいてい、誰も気づきません。
 
 ところで、『オトシブミ』という名前、変わっていますよね。
 
 平安時代などの貴族は、ラブレターなど直接相手伝えにくいものは、
 家の前に手紙を置いたりしたそうです。
 
 『オトシブミ』は生んだ卵を草に巻いて落とす習性があり、それが
 先ほどの貴族の習慣に似ているので、「オトシブミ」という名前が
 つけられました。
 
 とても風流な名前ですよね。
 
 かくいう私も学生時代、『落とし文』をもらった経験があります。
 
 ある日、学校に行き、下駄箱を開けると一通の手紙がありました。
 
 ドキドキして白い封筒を開けると、『この手紙を5人に回さないと
 あなたは死にます』と書いてありました。
 
 こうした類の『落とし文』は、ぜひとも止めてほしいですね。
 
■セミについて
 結構知らない人が多いのですが、セミは、カメムシの仲間です。
 写真の通り、両者ともまっすぐなストロー状の口です。

↓ カメムシの口(東京都 東大和市)

口器ss.jpg

↓ セミの口(東京都 立川市)

セミの口400s.jpg
 さらに言えば、アメンボもカメムシの仲間です。

↓ 三角形のアメンボ

シマアメンボ400s.jpg

シマアメンボ(東京都 国立市)

 

 「セミとアメンボは、何でカメムシの仲間なのに、臭くないの?」
 と聞かれることがあります。
 
 実は、セミもアメンボも結構臭いがあるのです。
 
 アメンボは、たくさん集めると、飴のような甘い香りがします。
 ですから、『飴ん棒』という言葉が変化し、アメンボと呼ばれて
 いるのです。
 
 ではセミはというと、どんな臭いがするでしょうか?
 それは何と、『枝豆の臭い』です。
 
 セミが持つ、枝豆の臭いを楽しむためには、
 まず、セミの幼虫を捕まえます。
 

↓ 夜7時頃、土の中から出てくるので、それを捕まえて下さい(東京都 国立市)

セミ幼虫400s.jpg
 それを150℃くらいの油で数分揚げて食べてみましょう。
 
 ぷりぷりのエビに、枝豆をまぶしたような味になり、
 とてもおいしいです。(調理済みの写真は、一応、自主規制)
 
 セミは、果樹園農家にとっては害虫です。
 
 農家の中には駆除の意味も込めて、ビールのつまみなどで
 食べていらっしゃる方もいるようです。
 
 
■なかなか見つけられないセミ
 ときおり、「セミは木の模様と似た形に進化したから、
 なかなか見つけられない」と言う人がいます。
 
 この言い方だと、まるでセミ自身が、「木に似よう!」と
 努力をしたように聞こえます。
 
 しかし、セミにはそこまでの知能はないでしょう。

↓ 木の模様とそっくりなセミ

木にそっくり400s.jpg
 では、どうしてセミは木とそっくりの模様になれたのか?
 
 それは6話にも書いた通り、『木の模様に似たセミ』は、『派手な
 模様のセミ』に比べて鳥などに見つかりにくかったため、結果として
 『派手な模様を持ったセミ』よりも生き残る数が多かっただけです。
 
 この鳥とセミの、命を懸けたかくれんぼを何億年も繰り返し、セミは
 鳥に見つかりにくい、木の模様にどんどん似てきてしまったのです。
 
 これがいわゆるダーウィンの「自然選択説」です。
 
 
■失敗することについて
 
 『失敗』という言葉から、あなたはどんなイメージを想像しますか?
 
 おそらく、「怒られる」、「恥ずかしい」、「自分の未熟さが
 露呈する」などネガティブなことが頭をよぎると思います。
 
 でも実際、失敗を繰り返さないと自分の能力は広がらないでしょう。
 
 たとえば、自転車に乗れない子どもが、一度も転ばずに自転車に
 乗れるでしょうか?
 
 きっと無理ですよね。
 
 自転車に乗れるようになるためには、何度も『転ぶ』という失敗を
 繰り返すから、自分の能力は広がり、今まで乗れなかった自転車に
 乗れるようになったのだと思います。
 
 6話では、『セミの進化』を例にとりながら、自分の能力を広げる
 ための原理原則は、『失敗を多くして、失敗から学ぶことだ』と
 いうことを私は書きました。
 
 でも私たちは、ついついその原理原則を忘れ、失敗を恐れるあまり、
 自分ができることしかしなくなります。
 
 もちろん、1回の失敗が、命や全財産を失うほどのハイリスクなもの
 であれば、慎重にならざるを得ないと思います。
 
 しかし、失敗することで、『恥ずかしい思いをする』、『誰かから
 怒られる』、『自分の今の能力を知ってガッカリする』程度のもの
 であれば、どんどん失敗をしたほうがいいと思います。
 
 『失敗をすることで、恥ずかしい思いをする』。
 これは失敗した本人は、心が傷つきます。
 
 しかし、このときの心の傷は、『ささくれ』と同じようなもの
 だと思うのです。
 
 ささくれというものは、本人にしてみればとても痛く、
 常に指先が気になります。
 
 しかし、「ささくれが痛い」と周りの人に言っても、
 誰も心配しません。
 
 失敗したときの痛みもこれと同じで、失敗した本人にとっては、
 「自分はもうダメなんだ!」と深く落ち込むようなものでも、
 周りの人からは、「いくらでも挽回がきくよね」という程度
 のものだと思うのです。
 
 つまり、失敗というものを、大げさにとらえすぎるせいで、「失敗
 したらどうしよう……」と、本当はやりたいことでも、なかなか
 一歩を踏み出せないケースが多いのではないかと思います。
 
 この猛省キリギリスは、『虫の生態』から『人の生き方』を学ぶという
 コンセプトで書いています。コラムのアイデアとしては、おそらく
 はじめての試みだと思います。
 
 はじめての試みなので、このコンセプトが広く受け入れられるのか
 私にはさっぱりわかりません。
 
 失敗する可能性も充分にあります。
 
 ですから私自身も内心、「失敗したらどうしよう?失敗したら、
 友だちの何人かには、『アイツはまた変なことやったなー』って
 言われるだろう」と、恐れる気持ちも少しはあるのです。
 
 でも、『自分の能力を広げるには失敗は必要』という原理原則を
 思い出せば、失敗を恐がっていては何も新しいことができないのです。
 
 自分の感覚では『大失敗』でも、客観的に見れば、『「お疲れさん」
 と言われる程度の失敗』。
 
 このギャップに気づけば、自分のやりたかったことを始める勇気に
 つながるのではないかなと思います。
 
 
■ライト兄弟は、英雄ではなかった?!
 
 私は虫が好きですが、それ以外にも自然科学全般が好きで、
 よく科学博物館に遊びに行っています。
 
 『失敗の大切さ』というテーマを考えたとき、私はよく、
 『飛行機の発明』が頭に思い浮かびます。
 
 はじめて動力を使った飛行機を発明したのは、
 誰もが知っているライト兄弟です。
 
 ライト兄弟が飛行機を発明してから今日までは、
 わずか105年しかたっていません。
 

↓ ライト兄弟の飛行機 (交通博物館)

フライヤー号400ss.jpg
 この105年で人類は、1秒間に11キロ進み、東京から大阪へは約50秒で
 着いてしまう、月ロケットという乗り物までつくってしまいました。
 
 一方で、ライト兄弟が最初につくった飛行機はどうだったでしょう?
 
 初飛行で飛んだ時間、なんとわずか12秒。
 「飛んだ」というより、「落ちた」に近いくらいです。
 
 しかも、この世紀の大発明を見たのは、ライト兄弟を含めわずか7人。
 
 おまけに見に来ていた人は、「墜落してケガをしたら助けてあげよう」
 と思っていただけだったらしく、「世紀の発明が見られるかも!」と
 いうような、期待をしていなかったそうです。
 

↓ 人類初の動力飛行の様子 (交通博物館)

飛んだ時の絵400ss.jpg

ライト兄弟のほか、5名の見物人しかいません(寒)

 

 繰り返しになりますが、それからわずか105年で月ロケットに
 発展するとは、ほとんどの人が想像できなかったと思います。
 

↓ 国産のロケット 1/25サイズ (茨城県 JAXAにて)

H-ⅡA400ss.jpg

あっと言う間に人類は、宇宙に行けるようになってしまいました

 

 今はライト兄弟を例にとりましたが、科学技術の進歩は、大半は最初、
 ライト兄弟と同じくらい、低いレベルからスタートしています。
 
 だから失敗にめげたり、自信をなくしたりする必要なんて
 まったくないと、私は強く言いたいのです。
 
 多くの人が失敗をすることで挑戦をあきらめる傾向があるからこそ、
 失敗を恐れないようになるだけで、非常に強い優位性を持ったことに
 なるでしょう。
 
 何かを成功させるとき、もちろんテクニック的なことも大事ですが、
 その前に、こうした失敗を恐れなくなる考え方を、土台に持つことが
 大事だと思うのです。
 
 
■いい失敗と悪い失敗がある
 先ほどから私は、「失敗はどんどんしたほうがいいです」と
 声高らかに言いながら、失敗でも、気をつけるべきことがあります。
 
 それは失敗したときの原因を、自分の周りのせいにしないことです。
 
 たとえば、新しく開発した商品に対して、お客様からクレームがきた
 場合、「あの客は、細かいことにうるさい」と言ってしまったら、
 クレームの原因を改善していなので、同じことを繰り返してしまう
 のです。
 
 ですから何かを行動して失敗した場合、「改善すべきところがある
 ことを教えてくれているんだ」と、非常に中立的に考えるのが一番
 いいと思うのです。
 
 そうすれば失敗をしたことに対して、自信をなくすこともないですし、
 「アイツのせいで師失敗した!」と、傲慢にならなくてすむと思うのです。
 
 『自分の失敗』にも、『他人の失敗』にも許す気持ちを持つことは、
 ストレスをためない生活にもなりますし、人間関係を良好に保つ上
 でも大事かもしれません。

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