■本体をコントロールする寄生虫
あなたがイメージする、寄生虫はどういう生き物でしょうか?
おそらく多くの方は、寄生虫はお腹で静かに暮らしていると
思っているのではないでしょうか?
しかし寄生虫の仲間には、今回ご紹介したハリガネムシのように、
本体を操ってしまう種類のものがいます。
そして操られた側は、死ぬ運命にあることがほとんどのようです。
8月の下旬ごろ、カマキリを捕まえたら
水にお腹をつけてみてください。
40cmくらいのハリガネムシが、30秒ほどで出てくることがあります。
私が試したところでは、だいたい40匹のカマキリのうち、
1匹くらい、ハリガネムシが入っています。
おそらく地域差が非常にあると思いますので、
今年の夏は、ぜひお試しください!
↓ カマキリと、そのなかに入っていたハリガネムシ
↓ ハリガネムシの動きを動画で見られます
(再生時間 約14秒)
■寄生虫の強さと弱さ
寄生虫は本体の体にうまく入り込んでしまえば、かなり強い生物です。
ハリガネムシのように、本体をコントロールして
思いどおりに操ることもできます。
人間には、「ズルくてヒドイ生き物だ」というにも
見えるかもしれませんが、実はそうではありません。
寄生虫が、うまく他の動物に寄生できるのはごく稀で、
ほとんどが寄生できずに死ぬとも言われています。
つまり、寄生虫は寄生すること自体が強みであり、逆にそれが
大きな弱みになっている生物で、すべての生き物と同様、
必死で生きる努力をしています。
■寄生虫は虫か?
寄生虫は、『虫』とついていますが、正確にいえば、
『昆虫』ではありません。
何かに寄生する動物全般をさして、寄生虫と呼んでいます。
ですから、寄生虫には、「昆虫の仲間」、「ミミズの仲間」、
「クラゲの仲間」など、多様な生物が含まれています。
■誘惑には大いに負けてよい!
今回、寄生虫を心の声にたとえて、「そんなの止めちゃえ!」と
誘惑する、もうひとりの自分を表現してみました。
ですから、多くの人は、『誘惑する心の声(パラ子)』を
悪者として受け取ったのではないでしょうか?
しかし、この話を書いた私は、パラ子は『大事なことを
教えてくれる使者』として書いています。
あなたに「そんなの止めちゃえ!」と誘惑する声は、
「あなたにその仕事は合っていない」と、大事な
ことを教えてくれていると感じるのです。
一般的には、『単調な仕事ほど、人は退屈な気分になってくる』と
言われています。
しかし、私はそれを間違いだと思っています。
少し、子どものころを思い出してみてください。
男の子であれば、ヒーロー人形がひとつあれば、
何時間でも遊べたと思います。
女の子であれば、着せ替え人形があれば、
やはり何時間でも遊べたと思います。
私の場合、『ナメクジバス』という遊びが、
3歳のころから好きでした。
ナメクジバスとは、黄色いバスのおもちゃに、そこら辺から
かき集めたナメクジを満載して、「ブッブー」と言いながら
バスを動かすだけです。
はたから見れば、何が楽しいのかさっぱりわからない
遊びだったと思います。
両親からはナメクジバスを止めされたれた記憶はありませんが、
「変な子ども」とは思われていたかもしれません。
ナメクジバスは、別に誰から認められたいとも思いませんでした。
ただ、おもちゃのバスにナメクジがびっしり
乗っていればよかったのです。
それだけで何時間でも遊べましたし、33歳になる今年でも、
ナメクジバスの楽しさを、ついこの間のように、はっきり覚えています。
ちなみに大人になった今でも、私はパソコンに向かって、
このコラムをずっと考えているのが好きです。
周りの人からみれば、「ずっとパソコンの前にいて大変そう」と
思われることもあるのですが、本人としては、ひと文字ひと文字
を入れる作業がキリ助に命を吹き込む作業に錯覚するときもあり、
とても楽しいのです。
このコラムが誰から評価されたりすれば、それはそれで嬉しい
のですが、個人的には書いているだけでも楽しいので、周りの
人から評価されなくても全然構わないのです。
私は虫が大好きですし、上司からいじめられてウツになった経験が
あるせいか、人の生き方について考えるのも好きです。
その好きなもの同士をミックスさせる作業は、おそらく他の誰も
やっていないことですし、自分だけにしかできないことなので、
なかなかアイデアが出なくても、考えていること自体が楽しく、
ワクワクするのです。
今、あなたが取り組んでいることに対して、「止めちゃえ」と
ささやくもう一人の自分は、「そんな誰にでもできて、多くの
人と競争になるようなことに時間(命)を使うんだったら、
もっと、自分だけにしかできない仕事をしようよ!」と
教えてくれているのだと思います。
だからといって私は、「転職をしたほうがいいですよ」と
言っているわけではありません。
ヘタに転職をしても結局はまた、周りの社員たちと同じ仕事をこなし、
他の社員たちと仕事の成果を比べられてしまうので自分らしさを
出せず、根本的なところは、転職前とあまり変わらないと思う
のです。
それよりも過去、あなたが『好きなこと』や『得意なこと』、
『褒められてうれしかったこと』を、今の仕事に少しでも
取り入れることはできないでしょうか?
それによって、他の社員と比較されないオンリーワンの社員に
なれる上、何より自分の好きなことを仕事にできるので、
仕事が楽しくなると思うのです。
前々回の記事でお話したとおり、私は研究所の技術者でありながら、
本社とのコミュニケーションの橋渡し役というオンリーワンの業務を
しながら、自分自身も楽しく感じる仕事をしていました。
きっと会社から与えられていた、研究の仕事ばかりやっていては、
周りの社員と競争になったうえ、評価も周りの社員との業績の差
だけで比べられたと思います。
「つまらない」と感じる仕事は、今日から頑張り過ぎることを止め、
代わりに、「今の仕事に何を加えたら、自分しかできない仕事で、
かつ自分自身がやっておもしろい仕事になるかな?」と考えることに
時間を費やしてはどうかと思います。
楽しいと思えない仕事、それはきっと、自分が何者であるかを
忘れてしまっているサインのように感じます。