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今回も猛省キリギリスの12話(ナメクジの話)をお読みいただき、

ありがとうございます。

このページでは、12話についてのおまけ話をしたいと思います。  

■ナメクジは虫か?

読んでくださった中には、「ナメクジは虫じゃない!」と思われた方もいたかもしれません。 たしかにナメクジは昆虫ではないのですが、広い意味ではムシ(蟲)なのです。

日本では明治くらいまで、ムシと言えば、『蟲』を指していたようです。

『蟲』とは、『小さくてうごめく動物の総称』で、蛙(かえる)や蛇(へび)も含まれます。

だから、これらの漢字には、『虫』という文字が入っているのです。

だからと言って、体長が5mにもなるキングコブラもムシと呼んでいいのかは ビミョウですが、日本にはキングコブラはいないので、それは想定外なのでしょう。

ちなみにナメクジを漢字で書けば『蛞蝓』となり、やはり虫という文字が入っています。


■ヤマナメクジ

ヤマナメクジは日本最大のナメクジで、15cm以上に育ちます。 大ざっぱにいえば、大人の手首から指先までの長さになる巨大なナメクジです。

山登りをする人などは、結構目撃するようで、登山部だった同級生からも、 「あ〜、あの超ブキミなナメクジ?」と、すこぶる評判が悪いです。

性格は非常にのんびりで、東京で普通に見るナメクジよりも動きません。 うちにいるものは9cmなので、まだまだ子どもです。

↓ 自宅で飼っているヤマナメクジ  

ヤマナメクジ400s.jpg


■ナメクジの繁殖活動

ナメクジは、1匹でオスとメスの生殖器を持っています。 だからと言って、1匹では増えません。

繁殖をするには、仲間を見つける必要があります。

仲間を見つけたナメクジは、お互いに“頭”から生殖器を出して、 相手の頭に入れます。

そうして精子を交換し、受精するのです。

↓ ナメクジの繁殖行動  

ナメ・交尾・全体400s.jpg

中央の『白いもの』が生殖器です

この生殖器の部分は、プラスチックのように硬くてザラザラしています。

↓ 生殖器のアップ画像

ナメ・交尾・拡大400s.jpg

そして、ナメクジが生んだ卵はブドウのように房状になっています。

↓ ナメクジの卵  

ナメ・卵400s.jpg

生まれてきた赤ちゃんナメクジは、透明がかった白色をしています。

↓ ナメクジの赤ちゃんは、水菓子のようでおいしそう  

こどもナメ400s.jpg

親指の爪と比較


■ナメクジは薬になる?

民間療法の中には、「ナメクジを生で食べるとゼンソクが治る」というものがあります。 しかし、生食は止めた方がいいでしょう。

ナメクジは、広東住血線虫という寄生虫がいる可能性が高いです。 この寄生虫は結構キケンで、運が悪いと脳に移動してしまいます。

考えるのも恐いですが、そうなってしまうと顔面マヒや昏睡などになる可能性もあり、 死亡例もあります。

■ナメクジは加熱調理すれば大丈夫

先ほど、「ナメクジを生で食べるのは止めましょう」と言いました。 しかし、加熱調理をすれば健康上も問題なく、おいしく食べられます。

「ナメクジを食べる」というと、非常に突飛なことに聞こえるかもしれませんが、 ナメクジは元々アワビやサザエなどと同じ、巻き貝の一種です。

それが地上でも生きられるように進化したのがナメクジです。

ですから感情を一切排除して、あくまで生物として見た場合、 アワビが食べられる人は、ナメクジも食べられます。

ナメクジを食べることに嫌悪感を覚えるのは、欧米人が、 「タコを食べる日本人は信じられない!」と言っているのと同じことです。

つまり、今までナメクジを食べる習慣がなかったから、ナメクジを

食べることに関してゲテモノに錯覚してしまうだけの話なのです。

ゆでたナメクジを食べてみると、貝と同じ味と歯ごたえです。 パスタにしてみると、全然違和感がありません。

よろしければ、一度お試しください。 新しい自分に出会えるかもしれません。

↓ ナメクジパスタ

 

パスタ全体400s.jpg


拡大写真は自主規制(でも、いつか公開したい)


■虫は、腹から息を吸う

ヒトは呼吸をするときに口から酸素を取り入れます。 しかし、昆虫は腹から酸素を取り入れます。

虫の腹をよく見ると、側面に穴がいくつか空いています。 これは『気門』と呼ばれ、ここで呼吸をしているのです。

↓ カブトムシの気門  

気門400s.jpg


人間は酸素を体に送るとき、赤血球に乗せて全身に運びます。
虫の場合は腹から取り込んだ酸素を、気管という管を通して直接全身に運んでいます。

ですから昆虫の場合、大きくなってしまうと全身に酸素を送れなくなるので、 あまり大きくなれないと言われています。

■誰にもできないことをやる必要はない

「仕事でもっと活躍したい!」と思う人の多くは、「誰もやっていないことをやらないと」と

思っていることが多いように感じます。

しかし、誰もやっていないことは、なかなか思いつきません。

それに思いついたとしても、自分には到底できないような

職人技かもしれないという問題があります。

私は仕事で活躍するには、誰にもできないことをするのではなく、『遅刻をしないこと』、

『出社したら挨拶をすること』など、誰にでもできることをやる方が大事だと思うのです。

たいていの場合、「当たり前」と言われることができていないことがほとんどです。 たとえば、会社に入ると、「報告・連絡・相談をきちんとやりましょう」と言われると思います。

これは逆に言うと、「ウチの会社では報告・連絡・相談という

基本的なことができていません」と言っているのに等しいのです。

私は、基本的なことができないことについて責める気持ちはないのですが、自分の特長を 出すためには、誰にでもできることをやり続けることが一番の近道だと思っています。

この猛省キリギリスという、「虫の生態」と「人の生き方」をドッキングさせたユニークな コラムも、もしかしたら私より先に、誰かが思いついていたかもしれません。

しかし、思いついたからといって、誰でもすぐに書けるわけではありません。 当たり前ですが、虫についての知識がないと書きようがないのです。

私は一般的な男の子と同じように、物心がつく前から虫が好きでした。 そのころの虫の知識は、周りの友人と変わりませんでした。

でも、友人たちは、小学校高学年あたりになると、 段々虫についての関心が薄れてきたのです。

一方で私の場合は、虫への関心が衰えず、約30年かけて虫の知識を増やしていったのです。 そのおかげで、このコラムを書くための基本的な知識がストックされました。

このコラムを読んで下さった方の中には、「虫から生き方を語るなんて、齊藤さんにしか

書けない斬新な発想ですね!」と言ってもらえるのですが、それはあくまでも結果だけを

見たからそう見えるだけです。

先ほど、「誰にもできないことをやるよりも、誰でもできることをやる方が、

自分にしかできないことが見えてきます」と言ったのはこのあたりにあります。

つまり、虫の知識を深めるには、30年という時間をかければ誰にでもできることです。

そして、この積み重ねた知識があったおかげで、結果的には、 自分にしかできない斬新なことを思いつけたのです。

ですから、まずは自分の好きなことをやり続けることをおすすめします。

なぜなら、好きなことをやっていないと、誰かから「才能ないね」と言われたとき、 ショックで止めてしまい、長続きしないからです。

好きなことなら、周りから何を言われても、続けられます。

今の大人は、案外好きなことを持っていなかったりします。 おそらく毎日忙しすぎて、好きなことに時間をかけられないのでしょう。

でも私は、好きなことを追求することが、自分にしかできない仕事をするために

一番大事なことだと思います。

今は直接仕事に結びつかないかもしれませんが、いつか、

好きなことが仕事に結びつく日がくるかもしれません。

私も虫好きが、このように書く仕事になるとは思いませんでしたから。

極端な話、好きなことであれば、たとえ仕事につながらなくても構わないのです。

なぜなら、好きなことをやって「楽しいな」と思えるだけでもストレス解消になり、 充分、モトをとっているからです。

ですから、週に1回でもいいですから、何でもいいので自分の好きなことを

我慢しないでやってみてはどうでしょうか?

なぜ私が、「好きなことを追求するのが大事です!」と 力説をしている理由がおわかりでしょうか?

それは、虫取りを理由にして、本やコラムの締切を延ばしてもらうためです。

■虫マニアの生態とは?

虫マニアには、色々な種族がいます。

一例を言えば、

  「蝶屋」と言われるチョウチョを追うマニア。
  「カミキリ屋」と言われるカミキリを追うマニア。
  「クワガタ屋」と言われるクワガタを追うマニア。

などがいます。

彼らも元々は、色々な種類の虫を捕まえた虫とり少年です。 しかし、年齢が上がるにつれ、「蝶」や「クワガタ」など、専門分野が決まってきます。

虫はやたらと種類が多く全部集めるのが不可能なため、 それを悟ったときから専門分野を決めていくようです。

専門分野が決まった虫マニアたちは、その虫をとりに、

休暇を使って日本各地はおろか、海外にまで虫をとりに行きます。

彼らは、きれいな観光地などには目もくれず、目当ての虫を求めて虫網をふるいます。 何しろ、短い休暇中に珍しい虫をとらなければ意味がないので、必死さが違います。

私の友達も、まとまった休みがあると、強行スケジュールで海外に行ってしまいます。

ですから、昆虫採集も本格的にはじめると、いくらお金があっても足りません。

標本にする時間や、捕まえた虫の名前を調べるのに図鑑と

にらめっこしていたりすると、時間も足りなくなります。

かくして、彼らは独身街道まっしぐらとなり、

自らを「毒身(どくしん)」と言い、開き直ってしまいます。

「他人事のように言っているが、おまえはどうなんだ?」と言われると、 私もその部類に入ってしまうでしょう。

ただ、しょっちゅう海外に行く友人に比べると、まだまだ甘です。 マニアにも階級があり、柔道で言うなら、私はまだ三段でしょう。

八段、九段になると標本の数が10万匹を超え、満面の笑みで

「離婚した」とか、「会社辞めた」とか言い出します。

「だ、大丈夫ですか?」と聞きたくなる一方、「ここまでの情熱を持てて羨ましいと思います。

ちなみに私は昆虫マニアの中でも数少ない、『害虫好き』です。 しかもその辺にいる害虫が好きで、あまり特定の種類を追っているわけではありません。

なので、専門分野を持っている虫マニアから見れば、『未熟者』になってしまうのです。

ちなみに昆虫マニアでも、ゴキブリやクモが苦手な人は結構いて、 それらは触れない人も多いです。

ちなみに、脱皮したてのゴキブリというのは、「害虫」と吐き捨ててしまうのが 惜しいほどきれいです。

↓ 脱皮したてのゴキブリ  

白ゴキ1400s.jpg
白ゴキ2400s.jpg


純白のウェディングドレスを着た花嫁のように綺麗ですね

さぁ、あなたも今日からジャージに着替えて、虫網を振ってみませんか?

   ■参考図書
  楽しい昆虫料理 内山 昭一 ビジネス社
  沖縄県衛生環境研究所のホームページ 
http://www.eikanken-okinawa.jp/biseibutu/kisei/kisei.htm

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